ギリシャ情勢混迷は世界恐慌の導火線
ギリシャのパパンドレウ首相〔PHOTO〕gettyimages

 足許のギリシャ情勢は混迷の一言に尽きる。10月下旬に、メルケル・サルコジを中心にユーロ首脳が10時間にわたって講義した内容を、ギリシャのパパンドレウ首相は国民投票実施によってひっくり返すところだった。さすがに、国内外の批判で国民投票を中止され、ギリシャの与野党はEUからの融資条件をのむことで取り敢えず決着した。

 ただし、これによってギリシャを巡る問題が解決したわけではない。むしろ、ギリシャ国内では、財政削減の負担に耐えられない国民の声は高まっており、政治に対する不信感が募っている。それがいつ爆発するか予断を許さない状況だ。

 ユーロが抱える問題はギリシャだけに限らない。より重大な問題はイタリアだ。イタリアは世界第3位の国債発行国であり、その残高は約1兆5千億ユーロに上る。イタリア国債の信用力が低下すると、その影響はユーロ圏だけに留まらない。イタリア国債を保有している金融機関の財務内容は毀損し、世界的な金融システム不安の発生も考えられる。

ユーロに加盟したギリシャの幻想

 今回のギリシャ情勢の混迷を見ていると、いくつかのポイントが浮かび上がってくる。その一つは、リーマンショックの爪痕がいかに大きいからだ。2000年台前半以降、世界経済は不動産バブルに酔いしれた。主要国経済は軒並み堅調な展開を示し、人々はひと時のほう幸福感に浸った。ユーロ圏の加盟したギリシャも例外ではなかった。

 しかし、ユーロに加盟して、"身の丈"以上に信用力が付いたように見えたギリシャは、低金利で国債を発行できることになった。そのメリットを使わない手はない。結果的に、多額の国債を発行し、それを原資にして公務員を増やしてギリシャ経済の好調を維持することになった。年金の給付年限を引き下げた。

 バブルは永久には続かない。それが決定的になったのは、2008年9月のリーマンショックだった。それに伴い、ギリシャは"身の丈"以上の債務のツケを払わなければならなくなった。それまでの政府が隠してきた債務も発覚し、ギリシャは一挙に奈落へと突き落とされた。それが結局、今回の混迷の基となったのである。

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