再生可能エネルギー振興策に群がる「政商」
自民党・経産省出身政治家が後押しする「日本風力開発」の素性

自民党のエネルギー議員たちが「再生可能エネルギーの普及」に気勢をあげた

 「再生可能エネルギーの普及」という国策を食い物にしようとする政商が後を絶たない。

 鳴り物入りで太陽光発電への参入を打ち上げたソフトバンクに続き、新法の対象外なのに「全量買い取り」の恩恵に浴そうとする会社が現れた。風力発電3位の「日本風力開発」(東証マザーズ上場)だ。

 また、「フクシマの復興」に便乗して、技術的に未成熟な海洋の「浮体式」風力発電所の予算獲得に名乗りをあげるマリン・ゼネコンも跋扈している。

 ばら撒き体質の民主党政権は、査定能力が乏しく、無駄遣いを繰り返しかねない情勢。政商たちが陰でほくそ笑むのと対照的に、国民負担が増大するリスクは高まる一方だ。

政策支援を二重取り

 暑い盛りの8月下旬。メガソーラー事業(太陽光発電)参入を華々しく打ち上げた電力業界の新参者、孫正義ソフトバンク社長に負けじと、自民党のエネルギー議員たちが気勢をあげた。

 トップバッターは、淡路島と対岸の明石を地盤とする西村康稔議員だ。8月23日、「再生可能エネルギー特別措置法案」を審議していた衆議院・経済産業委員会で、「既存の事業者は井戸を掘った人たちということで尊重してあげたい。大臣、ぜひ何らかの配慮をしたらどうか」と、海江田万里経済産業大臣(当時)に、すでに風力発電所を持つ事業者に対する政策支援の積み増しを迫った。

 審議中の法案が、再生可能エネルギーの普及のため、風力発電所を新設した場合、そこで発電した電気の全量買い取りを東京電力などの電力会社に義務付ける内容となっていることに便乗、かつて建設費の最大半分程度の補助を受けて建設し、すでに旧法に基づく買い取りの恩恵を享受している既存の発電所で発電した電気の買い取りも新設同様に義務付けろというのである。言わば、政策支援の2重取りだ。厚顔無恥ぶりに呆れた関係者は多かった。

 ところが、こうした要求を掲げたのは、西村議員だけではなかった。その翌々日(8月25日)、参議院の「経済産業・農林水産・環境委員会連合審査会で、比例区選出の川口順子議員が「今まで努力をしてきた事業者が報われないということがあるんではないかと危惧しています。既存の発電設備の取扱いに問題がある。大臣は問題だとお考えではないか」と海江田大臣に迫ったのである。

 実は、西村、川口両議員はそろって、通商産業省(現経済産業省)の官僚出身である。

 2人は、古参の風力発電事業者に対する政策支援強化を迫る急先鋒だ。そして、2人の背後には、通産省の大物OBと、自民党の大物議員が存在することも広く知られている。その大物官僚OBは、資源エネルギー庁の長官経験を持つ日本風力開発会長の稲川泰弘氏だ。そして、大物議員とは、エネルギーと環境に跨る族議員のドン、自民党の大島理森副総裁である。大島副総裁は、日本風力開発が「東北本社」を置く青森県の選出だ。

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