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大宣伝中ですが三菱マテリアルの「純金積立」は得か損か
〔PHOTO〕gettyimages

 月々数千円から始めることが可能で、今後再び金価格は上昇しそう、というのが、「純金積立」の人気の理由だ。世界経済が先行き不透明な中、手軽で有望とされる金投資に「落とし穴」はないのか。

「黄金の全面広告」

 あまりにもインパクトの強い紙面に、思わず新聞をめくる手が止まった人も多かったのではなかろうか。10月24日付朝日新聞と同19日付日本経済新聞の朝刊に載った「黄金の全面広告」のことである。

 大写しになった人物の顔と背景が金色に輝き、右下には金地金の写真があしらわれ、その横に「月々3000円から 三菱の純金積立」とある。

 三菱マテリアル貴金属事業部によると、

「純金積立については不定期ではありますが、新聞や雑誌などで、これまでも広告を出しております」

 と従来の広告方針に変わりはないという。だが、ここにきて全国紙に大宣伝を打っているのは、やはり欧州の金融不安や世界的な株安と無関係ではないだろう。

「有事の金」といわれるごとく、金価格は年々上昇を続け、一時1トロイオンス(約31g)=1896ドルまで上昇。その後、一時1500ドル台に急落したが、1700ドル台に回復。現在も高値圏にとどまっている。

 三菱マテリアルの広告には、〈先が読めない時代だからこそ、私は金を選びました〉との宣伝文句が書いてあるが、この先、金価格はどう推移するのか。『ゴールド・ラッシュ』の著者で、個人投資家向けの講演や執筆を手がける天海源一郎氏は、こう読む。

「1979年末に旧ソ連がアフガニスタンに侵攻した際、金価格は同年12月の426ドルから、850ドル('80年1月)まで急騰しました。インフレ率を勘案して現在の価格に換算すると2100ドルくらいになるため、同程度までは値上がりする可能性があると思います」

 ならば、一時より下げた金は現在まさに買い時だが、三菱マテリアルが大々的に推す「純金積立」とは、そもそもどういうものか。

 これは毎月決まった額を積み立てて純金を購入していくもので、その間、顧客が引き出しを求めるまで、現物は純金積立業者が保管。積立は、業者によっては3000円あるいは1000円といった少額でも始められる。だが、毎月一定額で純金を買い続けていくので、金相場が高いと多くは買えない。

 世界各国で金の調査研究を行う非営利組織「ワールド・ゴールド・カウンシル」日韓地域の元代表、豊島逸夫氏が言う。

「金の高値摑みを避けることができ、割安なときにたくさん買うことになる。それが純金積立の最大のメリットです。また、金価格が下がったとき、いつもより多めに金を買える『スポット購入』というシステムを採用している業者があり、これは便利です」

 純金積立には、地金商や鉱山会社、商社、商品取引会社など、多くの企業が参入しているが、その中で三菱マテリアルの純金積立は得なのか、それとも損なのか。ファイナンシャルプランナーの横山利香氏は、業者を選ぶ際の判断基準として、1.積立コスト、2.金の保管方法、3.スプレッドの3つをあげる。

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