世界中の金融マンが固唾を呑む ギリシャ破綻はこの日だ

2011年11月09日(水) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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 アテネ在住ジャーナリスト・有馬めぐむ氏は言う。

「官公庁だけでなく、その周辺にも何をしているのかよくわからない外郭団体が山ほどあって、税金泥棒のような高級官僚が多く群がっているんです。たとえば、設立目的が『干上がった湖の研究』『ペットボトルの大きさの考察』といった意味不明の団体には、月に100万円程度の、とんでもない額の給料をもらっている官僚たちもいます」

 多くの公務員は、朝7時に出勤して、14時には帰ってしまう。あとは昼寝と食事と酒を楽しむ優雅な生活だ。職場は、お世辞にも勤勉な雰囲気とは言えず、市民へのサービスを担当する役所も概ね態度が悪い。窓口の職員の多くは無愛想で、市民が用事を頼んでもパンをかじったまま返事をしなかったり、同僚と雑談に興じながらタバコを吸い続けたりしている。禁煙法が施行されているのだが・・・・・・。

「ビザの変更手続きで市役所に行ったとき、パソコンに簡単な内容を打ち込むだけなのに、最初、間違いだらけのことを入力されました。『2020年まで有効』を『2010年まで』と打ったり、日本人の私を『ロシア人』にしたり(笑)。役所ではこういうことが多いんです」(有馬氏)

国家的「借金踏み倒し」

 このように、ろくに働かなくても高給を保証される公務員の立場が、最近ではずいぶん脅かされている。デフォルトの危機が迫る中、EUなどから「融資してほしかったら財政赤字を縮小せよ」という条件を突きつけられ、ギリシャ政府はそれを呑んだのだ。こうして増税に加え、これまで聖域だった公務員のリストラがようやく始まった。

 アテネの30代の男性警察官が打ち明ける。

「確かに我々のような公務員は恵まれています。これまで手当を含め、約1700ユーロ(約17万8000円)の月給をもらっていました。しかし最近では手当などが削られ、ボーナスも4分の1になった。また、公務員だけではありませんが、国民全員が従来の税金に加えて、給与の2%を税金に取られることになり、新たに不動産税も課される。最近、生活は本当に苦しくなっています」

 この警察官の職場では、人が減っても人員が補充されず、彼は休日も私服でパトロールに当たっている。ギリシャに約10年住んでいる日本人女性も言う。

「13%だった消費税が一部23%になる、郵便小包の受け取り時に4ユーロ(約420円)取られる、ときどき数十万円単位の追徴課税をされる・・・・・・など、ここ最近で、出て行くお金が5割増しになりました。夫(ギリシャ人)は民間人で、『このままだと生活できなくなる。不安で夜も眠れない』と言います。夫の親の年金も2割カットされました」

 こういう事態が進んだ結果、各地で、給与が何ヵ月も支払われないケースが続出。失業率は20%近く、アテネの繁華街でも4割ほどの小売店が閉店に追い込まれて、シャッター街のようになっている。

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