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世界中の金融マンが固唾を呑む
ギリシャ破綻はこの日だ

人々はデモでリストラや増税に怒りの声を上げた〔PHOTO〕gettyimages

 欧州の片隅の弱小国が、世界の命運を握ってしまった。台本がどう変わっても、ハッピーエンドはあり得ないギリシャ悲劇。混乱をきわめる内情と、秒読み状態に入った崩壊へのシナリオを大予測。

100%デフォルトする

 史上最大の時限爆弾に、刻々と爆発のときが近づきつつある。そうなれば世界経済は炎上し、致命傷を受ける。その爆発とは、膨大な赤字を抱えるギリシャのデフォルト(債務不履行)、つまり国の破綻である。

 ギリシャがデフォルトすると、ギリシャ国債は紙クズ同然になり、大量に保有している国や金融機関は大ダメージを受ける。ポルトガルやイタリア、スペインなど、財政危機に陥っている他の国も連鎖破綻する可能性が高まる。やがて、ユーロという通貨そのものも崩壊するかもしれない。

 EU(欧州連合)はそれを防ぐべく、最近までギリシャに何度も巨額の融資をしているが、事態は一向に好転しないどころか、悪化する一方だ。第一生命経済研究所主席エコノミスト・永濱利廣氏はこう明かす。

「すでに、ギリシャがデフォルトに陥るのは100%間違いないという状況になっています。今後の問題は『どこまで秩序立ったデフォルトにするか』という点に移っているのです」

 もはやギリシャの崩壊は避けられない。その衝撃に世界は耐えられるのか、まさに空前の試練が襲いかかろうとしている---。

 なぜギリシャが抱える赤字は、ここまで膨らんでしまったのか。最大の原因は、労働人口の4人に1人と言われる、異様なまでの公務員の多さである。彼らは民間よりかなり高い給料を取り、年金も現役時代の給与の約9割分を受け取れるとされる。そういった人件費、あるいは人数自体をカットしようとすると、公務員は激しいデモやストで対抗し、政治家たちはそれに屈してしまうのが常だった。

 アテネ在住ジャーナリスト・有馬めぐむ氏は言う。

「官公庁だけでなく、その周辺にも何をしているのかよくわからない外郭団体が山ほどあって、税金泥棒のような高級官僚が多く群がっているんです。たとえば、設立目的が『干上がった湖の研究』『ペットボトルの大きさの考察』といった意味不明の団体には、月に100万円程度の、とんでもない額の給料をもらっている官僚たちもいます」

 多くの公務員は、朝7時に出勤して、14時には帰ってしまう。あとは昼寝と食事と酒を楽しむ優雅な生活だ。職場は、お世辞にも勤勉な雰囲気とは言えず、市民へのサービスを担当する役所も概ね態度が悪い。窓口の職員の多くは無愛想で、市民が用事を頼んでもパンをかじったまま返事をしなかったり、同僚と雑談に興じながらタバコを吸い続けたりしている。禁煙法が施行されているのだが・・・・・・。

「ビザの変更手続きで市役所に行ったとき、パソコンに簡単な内容を打ち込むだけなのに、最初、間違いだらけのことを入力されました。『2020年まで有効』を『2010年まで』と打ったり、日本人の私を『ロシア人』にしたり(笑)。役所ではこういうことが多いんです」(有馬氏)

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