ベンチャーの醍醐味を忘れたシリコンバレー
苦難に立ち向かう次世代モバイル・ベンチャー
ライトスクエーアード物語

ライトスクエアードの挑戦的な事業を解説するサンジェブ・アフージャ氏(Sanjiv Ahuja、会長兼CEO)2011年11月2日、Open Mobile Summitにて筆者撮影

 米国のベンチャー・ビジネスといえば、グーグルやフェースブックなどソフトウェア系企業が注目を集める。昨今のシリコンバレーは、クラウド・コンピューティングやモバイル・ブロードバンドに沸き、特にソフトウエアが持てはやされる。そうした中、久しぶりに通信業界に現れたインフラ系ベンチャーに注目が集まっている。今回は、業界の常識を覆すようなビジネス・モデルをひっさげ、新市場に挑戦するライトスクエアード社を紹介してみよう。

彗星のごとく現れたLTEベンチャー

 今週、イー・アクセスが次世代高速モバイル・サービス"LTE(Long Term Evolution)"を2012年3月に開始すると宣言した。Xi(クロッシィ)を提供するNTTドコモに続いて、同社はLTE参入2社目となる。また、KDDIやソフトバンクもLTEサービスの準備を進めており、日本の通信業界も本格的なLTE整備ブームが始まろうとしている。

 ちなみに、LTEはどのくらい速いのだろうか。現在広く利用されている3Gデータ・サービスは、実効速度が受信で数百Kbps程度。一方、LTEやWiMAXなどの次世代データ・サービスは数十Mbps程度のスピードが出る。

 たとえば、大きめの写真(2.9Mbyte)をダウンロードする場合、3G(700Kbps)なら34秒かかるが、LTE(7Mbps)なら約3秒で終わる。これは、オフィスなどで利用している無線LAN(Wi-Fi)に近い感覚だ。

 このLTEだが、米国では昨年から整備ブームが始まり、ベライゾン(Verizon Wireless)やAT&T、MetroPCSが既にサービスを開始している。また、携帯業界3位のスプリント(Sprint Nextel)も2012年中頃にはサービス提供を宣言した。

 米国はLTE元年を迎えているのだが、それを待ち構えていたように登場したのがLTEベンチャーの"ライトスクエーアード(LightSquared)"だった。

 過去数年に渡って米携帯業界は周波数不足に悩まされており、新サービスのためのスペクトラムが確保できない状況が続いている。にもかかわらず、なぜライトスクエーアードはLTE市場に登場したのだろうか。そこには同社の意外なビジネスプランが潜んでいた。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら