経済の死角

531万株を海外へ売却
ユニクロ柳井社長の「狙い」

2011年11月10日(木) 週刊現代
週刊現代
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PHOTO:Getty Images

  個人資産8400億円を保有しているとして、米経済誌フォーブスで2010年の「日本一の金持ち」に輝いたユニクロ=ファーストリテイリング(FR)会長兼社長の柳井正氏にいま、〝富豪批判〟が出ている。

 きっかけはFRが発表した柳井氏の株譲渡をめぐる内容。筆頭株主の柳井氏は自身が保有するFR株約531万株(議決権ベースで5.2%)を、オランダ国籍の同氏の資産管理会社「TTY Management B.V.」に譲渡したことが明らかになった。その目的は「配当金を主な原資として、社会貢献活動を永続的にかつ幅広くグローバルに実施すること」だとされているが、これが節税対策なのではないかとの指摘が上がっているのだ。

「オランダには資本参加免税制度というものがあり、発行済株式の5%以上を継続保有していれば、配当および売却益は非課税。海外税制は複雑だが、今回の譲渡によって柳井氏は数億円程度の節税となる可能性がある。さらに5年以上親子が海外に居住した場合、法人から子への株式譲渡については贈与税もかからない。今後、柳井親子が、海外に5年間居住すれば、その可能性も出てくる」(国際税制に詳しい公認会計士)

 提出された大量保有報告書の変更報告書によれば柳井氏の次男は大手商社勤務でイギリス在住。勘ぐったネットユーザーたちが、〈庶民を相手に日本で稼ぎながら、日本に税金を納めないのはフェアではない〉などと辛辣な批判をしているのだ。

 実は柳井氏には節税対策を暴露された過去があるのも事実。「'01年4月に個人投資家の株売却にかかる税制が変わるのを見越してか、その前年に柳井氏と親族がクロス取引と呼ばれる方法でFR株の売買を行い、節税効果があったと報じられた」(全国紙経済部記者)。

 柳井氏の「社会貢献活動」の実態は不明だが、世界中で反格差デモが真っ最中な時だけに、なんとも間が悪かったということか。

『週刊現代』2011年11月12日号より


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