永田町ディープスロート

「行列のできる」会長代行
仙谷由人
天下は我にあり

2011年11月11日(金) 週刊現代
週刊現代
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「行列のできる会長代行」。霞が関の官僚たちがそう呼んでいるのが、仙谷由人政調会長代行。各省幹部たちは連日、競い合うように「仙谷詣で」を繰り広げている。

 例えば経済産業省。10月のある日、仙谷氏を訪ねた幹部はこう泣きついた。

「原発をなんとか再稼働にもっていきたい。東京電力についても、あまり厳しいことをおっしゃらずに、穏便な落としどころを考えていただけませんか」

 ところが、ほどなく別の経産幹部がやってきて、

「いまこそ電力改革のチャンスです。東電にもっと介入して料金制度にも手を入れましょう」

 と訴えた。原発推進の保守派とそれに反目する改革派が、省益ならぬ局益のために正反対の陳情を
行ったのだ。これに対して仙谷氏は両派幹部を呼びつけて、

「一つの役所で逆のこと言ってなにやってんだ。どっちにしたいのか、しっかり調整しろ!」

PHOTO:Getty Images

 と一喝した。その姿は「まるで天下人」(民主党職員)だったという。

 仙谷氏頼みは他の役所も同様で、厚労省は「これ以上、年金の国庫負担引き上げは勘弁してほしい」。最強官庁・財務省でさえ、「社会保障の財源は消費税しかあり得ません。引き上げのために党内とりまとめをお願いします」と平身低頭だ。

 そもそも仙谷氏は党政調のナンバー2。会長は仙谷氏自らが後見人を務め、「いつか首相にしてやりたい」と可愛がっていた前原誠司氏だ。「仙谷詣で」は前原氏の面子を完全に潰しているが、いまやそんなことは一切お構いなし。税と社会保障に関しては「前原には無理」と公言し、原発やTPP問題については、同じ弁護士出身でウマの合う枝野幸男経産相と直に調整している。蚊帳の外に置かれた前原氏が、

「党の政策責任者は俺だ。何で勝手にやってるんだ」

 と周囲に当たり散らしても、仙谷氏は知らぬ顔の半兵衛。釈明もしなければ、なだめもせず、「あいつはああいうところがダメなんだ」と突き放すだけ。

 いまや政策面では完全に党の実権を握り、官房長官時代を彷彿させる「影の総理」として復活した感のある仙谷氏。今度は問責決議の対象外なだけに厄介だ。

『週刊現代』2011年11月12日号より


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