経済の死角

川端大臣はプラチナバンド900MHz「周波数オークション」の構造的欠陥をご存知か

史上最大2,100億円の電波版「地上げ」制度に問題あり

2011年11月04日(金) 吉川尚宏
upperline

国公認の史上最大の「地上げ」?

「大臣、これはひょっとすると、国公認の史上最大の『地上げ』になるかもしれません。しかも今回のは不動産ではなく電波という目に見えない資産を対象としてします。それでもよろしいでしょうか」 大臣秘書官の方はこう呟いたのかもしれない。

 携帯電話各社が喉から手が出るほど欲しい、900MHz帯の周波数免許付与方式案、しかも「オークション的な考え方」に基づく付与方式案が、さる10月21日に川端大臣名で総務省からようやく提示された

別添12がそれに相当するが、概要は次のとおりである。

● 割り当てる周波数幅は15MHz×2とし、それを一者に付与する
● 既存の周波数利用者の移行が必要になるが、そのための費用は当該周波数を希望する者が負担する
● 周波数割り当ての審査基準には、「絶対審査基準(最低限満たすべき基準)」と「競願時審査基準」の二種類がある
● 「絶対審査基準」とは設備の整備計画、事業計画、一定時期までの通信サービスの高速化に加えて、周波数移行に最低限必要な1,200億円の資金調達の可否である
● 「競願時審査基準」とは周波数移行費用(上限2,100億円)、エリアカバー率、周波数移行体制の充実度合い、MVNOへの開放度合い、周波数の割り当て状況や逼迫度合い等である

 もっと簡単にいえば、1,200億円を下限とし、2,100億円を上限とする一種のオークションである。そして、2,100億円で複数者がはりついた場合には、エリアカバー率や周波数移行体制の充実度合い等の観点で審査を行って、最後に一者が残るまで振り落としていくのである。

次ページ  ただし、1,200億円~2,…
1 2 3 4 5 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事