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オリンパス疑惑、ライブドア事件と比べ新聞報道がなぜ甘い?
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 ライブドアを徹底的にたたいたのに、オリンパスには甘い新聞報道---。

 過去の企業買収に絡んだ疑惑が噴き出し、株価急落に見舞われているオリンパス。月刊誌「FACTA」が7月20日発売の8月号で同社の疑惑をすでに詳報していた。にもかかわらず、10月14日のイギリス人社長解任を受けて英フィナンシャル・タイムズがFACTAの特報を追いかけるまで、大新聞はそろって静観を決め込んでいた。 

 2006年のライブドア事件については、大新聞は連日のように1面トップ級のニュースとして伝え、派手な大見出しを躍らせていた。文字通り「集中豪雨的な報道」を展開していたのだ。強制捜査直後の同年1月17日付紙面では、伝統的に事件報道に強い読売新聞は1面トップも含めて合計11本の記事を掲載している。

 それと比べると、オリンパス疑惑をめぐる新聞報道は腰が引けている。主要各紙とも1面トップどころか1面に載せることもまれで、中面へ追いやっている。社長解任ニュースについては、10月14日付夕刊の中面で小さく伝えているだけだ。読売は10月末まで、オリンパス関連を一度も1面ニュースとして取り上げていない。

 なぜこんな違いが出てくるのか。結論から先に言えば、権力迎合型の「発表報道」体質が背景にはある。発表報道の基本スタンスは「権力の動き=ニュース」だ。権力が発信する情報で紙面を埋め尽くせば、「政府広報紙」と変わらなくなる。逆に言えば、権力が動かなければ何も報じないということである。

 オリンパスの疑惑について大新聞が当初は静観を決め込んだのも、権力の動きがなかったからである。ここでの権力とは、東京地検特捜部や証券取引等監視委員会など捜査当局のことだ。

 オリンパス疑惑の中心になっている企業買収は一見して「何かおかしい」と思わせる内容だ。