ユーロ首脳会議の合意は応急策=ユーロ危機再燃の可能性も
ユーロが抱える問題がすべて片付いたとはいえない〔PHOTO〕gettyimages

 10月27日午前4時過ぎ、難航を極めたユーロ首脳会議の合意がようやくまとまった。10時間を超えるハードネゴだったことを考えると、最後まで合意作りが難しかったことが分る。主な合意の内容は、民間部門のギリシャ向け債務の免除比率(ヘアーカット)を50%とすること、EFSF(欧州金融安定基金)の規模を1兆ユーロに拡大することだった。

 今回の措置によって、取り敢えず、ギリシャの資金繰りの目途が立つことになる。また、EFSFを拡大することによって、今後、スペインやイタリアに信用不安の波が押し寄せた時にも、相応の対応策が打てるようになると期待される。今回の合意によって世界的に株式市場が反発したところを見ると、金融市場は初動動作として合意内容を好意的に認識したといえる。

 ただし、これによって、ユーロが抱える問題がすべて片付いたと見るには尚早だろう。まず、民間部門に適用されるヘアーカット率は自主的な基準であって、金融機関の中にはそれに同調しないところが出てくる可能性がある。また、EFSFの規模を拡大すると言っても、借り入れや保証などの手法を使って使える資金の量を増やすことを決めただけで、実際にそれができるかどうかは今後の課題だ。

ドイツ---フランスのギリギリの調整が奏功

 今回のユーロ会議で、最も注目されたのは独仏間の意見調整だ。ドイツは経済的に余裕があるものの、国内正論はギリシャなどへの支援には強い批判がある。メルケル首相としても、そうした世論を無視することはできない。しかも、最近の国内選挙で苦戦を強いられており、これ以上、南欧諸国への大規模な支援を行うことは困難あの状況にある。

 一方、フランスは、国内金融機関が南欧諸国に対する多額の債務を保有していることもあり、ドイツほど財政状態に余裕はない。しかも、フランスの国内経済は、リーマンショックから完全に抜けだすことができず低調な状態が続いている。今後、南欧諸国のデフォルトが現実のものになると、国内金融機関の破たんの可能性が高まる。それを回避しようとして公的資金を大盤振る舞いをすると、フランスの財政状況は一段と悪化し、最上級のトリプルASの格付けから滑り落ちることも考えられる。

 そうしたドイツ---フランスに加えて、各国金融機関の利害が絡んだ調整には予想以上の時間と労力が必要だった。一時は、合意を作ることすら難しいのではないかと見られた。それにも拘らず、一応の合意にこぎつけることができた背景には、合意ができなければ、文字通りユーロの崩壊の可能性があったということだ。それだけ緊迫していたのである。

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