経済の死角

地球環境大賞に「東電」
フジサンケイのトホホ

2011年05月04日(水) 週刊現代
週刊現代
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 フジサンケイグループが、震災で思わぬ"被害"を受けている。

「フジサンケイは環境問題に熱心に取り組む企業や団体を表彰する『地球環境大賞』を主催しているが、今年のグランプリにあたる大賞に選んだのが、間の悪いことに東京電力だった。2月に決定・発表したものだが、震災後もネットニュースで流していたため、ネットユーザーが発見。『皮肉か』『どうして撤回しないのか』などと野次られている」(グループ社員)

 東電の川崎火力発電所が近隣コンビナート全体で大幅な省エネ・CO2削減事業に取り組んだことが評価されての受賞だった。しかし今では、東電が福島第一原発から環境破壊もはなはだしい放射性物質を撒き散らしているのは周知の事実。さすがに「現在、辞退する方向で調整をしている最中です」(東京電力広報担当)と言う。

 ただ"皮肉"は、これだけではない。

「同大賞は『日本経団連会長賞』を設けていて、これを受賞したのが福島第一原発の建設にかかわった東芝だった。福島原発設計時にここまでの津波を想定していなかった"甘さ"が指摘されているだけに、優れた環境経営を評価されての受賞は、こちらもタイミングが悪すぎた」(前出・社員)

 東芝は辞退について「対応を決めていません」(広報室)と、それどころではない様子。

 授賞式は4月5日に東京・元赤坂の明治記念館で開催される予定だったが、「震災の影響」で延期。「ネットに出ている受賞関連の記事を見ると、グランプリではない受賞者については細かく書いてあるが、東電の記述がほとんどない。意図的かどうかわからないが不自然」と記事を見た他社の記者は言う。フジサンケイは東電、東芝への授賞を取り消すのだろうか。

「顕彰制度の趣旨に照らし合わせて、審査委員会ならびに顕彰制度委員会に諮り、正式決定します」(フジサンケイグループの産経新聞社総合企画室)

 未曾有の大震災は、想定外の"二次災害"を招く。

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