経済の死角

大震災以来
いまだ「逃亡中」
日テレ・辣腕デスクの処遇

2011年05月03日(火) 週刊現代
週刊現代
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 4月6日、日本テレビで異例の人事異動があった。社会部デスクの木下黄太氏の報道局勤務を解き、人事局付としたのだ。木下氏は過去には元オウム真理教幹部・都沢和子の独占取材に成功し、最近では沢尻エリカの旦那・高城剛氏の単独取材を敢行するなど、名うてのスクープ記者だった。そんな人物が一体なぜ異動になったのか。

「木下さんは、地震発生直後から『原発事故の危険は東京にも迫る』と言って3月19日、勝手に西日本に避難したんです。社会部としては、現場を放棄した人間をそのまま社会部に置いておくわけにはいきませんから、異例の"解職"となりました」(日本テレビ局員)

 木下氏は、現在も東京に戻っておらず、局内外から"逃亡デスク"と呼ばれる有り様だという。しかし、本人は決して逃亡したわけではなく、上司との折り合いが悪く、その抗議の意味で休んでいるだけ、と主張しているようだ。木下氏と親しい日テレ記者が語る。

「木下さんは地震発生から数日間、社会部の部長と激しい言い争いをしていました。『社会部のデスクとして、若い記者を安全かどうかもわからない原発近くに取材に行かせるわけにはいかない』『80㎞圏外まで記者を下げるべきだ』と訴えましたが、結局社会部の部長は聞く耳を持たなかったようです。彼は『(3月)19日からはもともと有給休暇の予定だったから、抗議の意味も込めて休むことにする』と言って東京を離れてしまったのです」

 実は、日本テレビでは昨年夏、埼玉県で防災ヘリの墜落事故を取材中だった記者とカメラマンが秩父山中で亡くなるという不慮の事故が起こっており、以来木下氏は「社会部デスクとして、むやみに部下を危険に晒すわけにはいかない」と主張し続けてきたそうだ。

 そんな中で地震と原発事故が起こったため、なおさら安全管理に敏感になっていたのかもしれない。

「4月6日で有休期間が終わるので、それをもって人事局付となりました。6日以降も東京には戻らず、本人は辞職の意向もちらつかせています。有能な人材ではありますが、『辞職やむなし』の声も上がっています」(同記者)

 どんな理由にせよ、非常事態の真っ最中に現場を放棄したジャーナリストが、これから何を語ろうと、色メガネで見られるに違いない。"敵前逃亡"の代償は重いものになりそうだ。

 

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