経済・財政
あらためていう。「震災増税」で日本は二度死ぬ
本当の国民負担は増税ではない
〔PHOTO〕gettyimages

 とんでもない震災増税に政府はどんどんむかっている。

 政府の復興構想会議は、3月11日の東日本大震災から1ヶ月以上経過した4月14日にやっと第一回会合を開いた。1923年9月1日に起こった関東大震災では、帝都復興院はその翌日の2日より設立が検討され、9月27日にはすでに設置されていた。

 今回の復興構想会議のスピード感は1ヶ月以上遅れがある。しかし、「増税」だけは素早かった。

 今回の大震災直後から、菅政権の増税への執念はすさまじかった。まだ、復興より救助・救援が必要な大震災直後の3月13日には、菅総理と谷垣禎一自民党総裁は、震災増税で話し合っているのだ。なんという神経の持ち主だろう。

 そもそも、大震災という100年以上に一回というショックに対しては、例えば100年国債を発行することによって対応してショックを時間的に平準化するという大原則を踏み外している。

実質的に会議を取り仕切る「庶務権」

 さらに、その国債は、円高防止のためのマクロ経済環境を考慮して、日銀引受がいいと、このコラムでいってきた( 「震災増税」ではなく、「寄付金税額控除」、「復興国債の日銀直接引受」で本当の被災地復興支援を)

 ところが、復興構想会議は、まだ議論も行われていないスタートから増税を打ち出した。14日の初回会合で、五百旗頭真(いおきべまこと)議長の挨拶で、増税が飛び出した。

 五百旗頭議長は、政治学者・歴史学者である。それがいきなり冒頭の挨拶で増税はないだろう。その裏には、会議を取り仕切る財務省がいる。

 政府のこの種の会議では誰が取り仕切るかが重要だ。私は、かねてからそれを「庶務権」と呼んできた。会議の庶務は誰それという規定が必ずあるからだ。一般の人は、それをみても、庶務なのだから、それほど大切とは思わない。しかし、庶務は、会議のスケジュール、会議の内容をいくらでも左右できる。

 復興構想会議運営要領7条で、「会議の庶務は、内閣官房において処理する」とかかれている。具体的には、佐々木内閣副長官補を室長とする被災地復興に関する法案等準備室である。

 佐々木内閣副長官補は財務省出身で、この内閣副長官補というポストは代々財務省からの指定席だ。

 財務省は、そのほかにも、総理秘書官や官房長官秘書官など官邸内の様々な重要ポストを握っており、官邸を自由にコントロールできる。

 14日の復興構想会議の様子の一部は官邸のインターネットテレビでも見ることができるが、それでも、説明者の背後に、何人もの財務省官僚がいることがわかる。

 会議の庶務をやっていると、会議のスケジュール調整や会議の説明ということで、委員に直接接触する機会が多い。その時に、「ご説明」を行い、経済にあまり詳しくない有識者は、財務省にころりとやられてしまうのだ。

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