この被曝があと1年続いても安全と言えるのか水と空気と土がやられて、海と川、魚と野菜が汚された

2011年04月18日(月) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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 日本国内では野菜や魚の出荷制限と、それに関連する風評被害が問題になっているが、海外では残念ながら、日本の食品はすべて安全ではないと見られている。

 いくら政府が不当な禁輸措置を取らないよう求めても、無駄だった。日本に比べて衛生的とは言い難いインドですら、4月5日になって日本からの全食品の輸入を3ヵ月間停止することを決めた。

 それを大げさだと非難することはできない。広島・長崎の原爆、スリーマイル島原発事故、チェルノブイリ原発事故でも、低線量被曝によりその後、がんなどの健康被害が出たという疫学調査の結果もある。

 少しでもリスクがあれば、わざわざ輸入してまで日本の食品を購入したくないと考えるのは当然だ。

 現在のような放射能垂れ流しが1年も続けば、漏れ出す放射能の総量は天文学的なものになることは間違いない。オーストリアの気象地球力学中央研究所は、3月26日、福島第一原発から吐き出された放射性物質はチェルノブイリ原発事故をすでに超えているという予測を発表した。それによると福島第一原発の一日平均の放射性物質排出量は、ヨウ素131で10京(兆の1万倍)ベクレル、セシウム137で5000兆~5京ベクレルと見積もっている。

 あくまで大雑把な試算だが、すでにチェルノブイリを超えているのに、場合によってはさらに1年も放射性物質が出続ける可能性があるということが、いかに尋常ならざる事態であるかは想像がつくだろう。

 これがどんな影響を及ぼすのか、冒頭に登場したガンダーセン氏の話を最後に紹介しておく。

「チェルノブイリ事故の後、いまだにドイツでは猪を食べられません。土壌にたくさんのセシウムが落ち、それが猪の餌となるキノコに吸収されたからです。牛にしても、セシウムに汚染された牧草を食べていたら、その肉を食べてはいけない。

 放射能汚染の影響は、人間ではがんの増加などに表れますが、他にも様々な調査があります。たとえばチェルノブイリ事故から25年にわたって鳥の調査をした結果、脳が10%も小さくなっていたという報告もある。スリーマイル事故でも、双頭の牛が生まれたり、動物の奇形が数多く報告されています。放射能は遺伝子レベルで影響を与えるから、こんなことが起こってしまうのです。

 私は、フクシマの近くに住んでいる人たちに確認したいことがあります。スリーマイルのとき、口の中で鉄のような味を感じた人が非常に多かった。チェルノブイリでも同じようなことを言う人がたくさんいた。フクシマについての報道をチェックする限り、いまはまだそうした証言はないようですが、フクシマ近くの人たちは、そんな鉄のような味を感じたことはないでしょうか」

 安全だ、安全だと言っている間にも、放射性物質はどんどん放出され、自然界に蓄積されていく。もちろん、体内にも溜まっていく。

 そう、この瞬間にも。

 

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