雑誌
ピンチはチャンス!
リーマンショック後の値動きから読む
いま「割安の株」を考えてみた

今年の日経平均の安値をつけたのは、9月26日。再びここをうかがう場面がありそう

 リーマンショックが起きた'08年、日経平均の安値は10月27日の7162円だった。その後の高値は1万1339円。'10年4月5日のことである。株価はいずれ上向く。大事なのは「売り時」を逸しないことだ。

まもなく最安値に

 株式投資は、10月末に買って4月に売ると儲かる---そんな法則があるのをご存じだろうか。日本経済研究センター主任研究員の前田昌孝氏がこういう。

「6ヵ月間の投資をするとして、いつ始めたら最も大きなリターンが得られるか、過去61年間の日経平均とニューヨークダウ工業株30種平均を調査したところ、10月末に始めるのがベストでした。反対に4月末に開始するのは最低でした。

 さらに過去20年間の日経平均の日々のデータを細かく調べると、10月29日と31日が大きなリターンが得られるベスト1と2であることも、わかりました」

 今年なら29日は土曜なので31日がベスト、ということになる。

 確かに'08年のリーマンショック時の暴落が10月なら、1987年のブラックマンデーも10月。さらにさかのぼれば、'29年のブラックサーズデーも10月に起きている。まさに、ピンチはチャンス。株式投資において大暴落の多い10月は、「絶好のタイミング」であるとも言い換えることができるのだ。

 もっとも、欧州危機に見舞われたこの秋、株に手を出すことに二の足を踏む人は多いだろう。だが、カブドットコム証券チーフストラテジストの河合達憲氏は、そんな不安を一掃するようにこういう。

「半年から1年の中長期投資なら、トヨタやパナソニック、ソニーの現在の株価は、目をつぶって買ってもいいほど割安な水準です。中長期投資では、企業が最悪の状態にあるときに買うのが最も効率がいい」

 では、この先の10月下旬以降、日経平均はどう動くのか。河合氏が続ける。

「10月末から11月上旬までは、今秋の安値である8374円を再びうかがう場面も想定したほうがいいでしょう。その理由は、10月後半から発表される各社の7~9月期決算で市場予想を超える下方修正が相次ぐ可能性があるからです。為替相場は7月に1ドル=80円を割り込み、その後も70円台が続いています。多くの企業は1ドル=81円程度を想定していたため、大幅な為替差損は避けられません」

 そうした背景からみて各社の下方修正にともない日経平均株価の下落はどうやら必至。だが、その先には光明がうかがえるという。

 日経平均株価は一時8000円台前半あたりまで下げたのち、9000~9500円程度まで戻ることも期待できると河合氏はみる。

 金融情報サービスを手がけるフィスコのアナリスト・小川佳紀氏が補足する。

「11月に入るとギリシャ国債の次の償還(12月)が迫り、その借り換え問題が取り沙汰されると思いますが、これにすんなりメドがつけば株式市場にとっては好材料。企業の下方修正が下げ要因になるとは思いますが、それが出尽くせば、11月が当面の株価の底だと思います」

 では、この10月下旬から11月にかけてのチャンスに何を買うべきか。

 今回、本誌は8800円前後を漂う割安な日経平均採用銘柄(221社=新規上場等により'08年の株価データのない4社は除外)の、リーマンショック後の値動きをもとに、3回スクリーニングして有望株を探してみた。その方法は次の通り。

▼スクリーニング1
リーマンショック後の'08年安値より、今年の安値のほうが高い銘柄。

▼スクリーニング2
'09~'11年にそれぞれつけた高値の中で、今年が一番高い銘柄。

▼スクリーニング3
'08年高値より、今年の高値のほうが高い銘柄。

 こうしてリーマンショック後の値動きから有望な株を抽出することの有意性を、河合氏はこう説明する。

「リーマンショック後の安値やリーマンショック前の株価を抜けてきている銘柄は、注目してしかるべき。相場全体が大きく下がるなかでも買われているのは、それなりのしっかりした裏付けがあるからです」

 今秋暴落した「割安な株」の中には、必ず有望な銘柄があるはずだ。日経平均採用銘柄すべてについて詳しく知るには相当の労力を要するが、ある程度機械的に銘柄を絞りこめば、調査の手間も省くことができる。

 スクリーニングによって最終的に残った銘柄はいくつあったのか。さっそく見ていこう。

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