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【PHOTO】Bloomberg via Getty Images

 原子力安全・保安院は、4月12日、福島第1原子力発電所事故の深刻度の国際評価尺度(INES)の暫定評価で最悪の「レベル7」とすることを発表した。

 菅総理は同日の記者会見でいわば「専門家の判断」と大逃げを打ったが、原発事故の初動においてその深刻さについて過小評価をしてきたことが、図らずもバレてしまった。危機管理をするうえで最もやってはいけないことをやってしまったと言ってよい。

 放射性物資の総放出量は、保安院が37万テラベクレル、原子力安全委員会が63万テラベクレルとの見方を示す。レベル7の基準は数万ベクレルを超える水準としているのだから、いずれにしても基準数値を大幅に超過だ。

 政府は、当初レベル4とし、震災から1週間を経過した時点の3月18日に暫定評価「レベル5」としていた。ほとんど何のネガティブな見通しなども示されず、突如、2段階の引き上げ。菅総理は、相変わらず福島第1原発の状況について「一歩一歩安定化に向かっている」と楽観論を述べたが、虚ろな強がりにしか聞こえない。

 政府は、いつ、この放射性物質の総放出量を把握したのか、なぜ、これまで把握できなかったのか、を早急に明らかにすべきである。

党首会談で「原子炉は大丈夫」と明言

 そもそも、今回の事故評価は低すぎると各方面から批判の声が上がっていた。なぜ、甘い事故評価を放置してきたのか。

 それを解く鍵は、菅総理の原発事故に対する初動における致命的な過小評価にあるという見方が浮上する。

 日付は、遡ること3月12日。震災翌日の午後2時、経済産業省原子力・安全保安院の中村幸一郎審議官は、記者会見で、「炉心溶融が進んでいる可能性がある」旨、説明した。

 午後3時からの与野党党首会談。私は、「メルトダウンが起きているのではないか」と問い質した。

 すると、菅総理は、「これはメルトダウンではない」と述べ、放射線が大量に漏れる状況ではない旨、滔々と自説を語った。「圧力抜きの作業が行われ、冷却水の水位が回復しており、原子炉は大丈夫」と自信をもって語っていたのだ。この話ぶりから、到底レベル7の深刻度に至るという危機意識を有していないことは明らかだった。

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