経済の死角

原子力ロビー「電気事業連合会」の力と実態

電力会社幹部は3年間で5600万円を自民党政治団体に献金、「味方作り」を推し進めてきた

2011年04月18日(月) フライデー
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「社内でピンピンしている」(東電社員)という東電の勝俣恒久会長は、現役時代「カミソリ」とあだ名された

 4月1日付のフランスのル・モンド紙に、こんな記事が掲載された。

〈福島原発事故発生以降、国民の警戒心を煽るのを恐れ、事故の状況に関して十分な報道をしていなかった日本の大メディア(全国新聞・テレビ局)は、ようやく菅(直人)首相率いる政府と東電の対応に批判的になり始めた〉

 ル・モンド紙は問いかける。なぜ、日本のメディアは国と東京電力の責任を徹底的に把握・分析・追及しないのか---。同紙は3月26日の特集記事で〈日本人は原子力災害を意識し始めているものの、未だ事故の重大性には気づいていないようだ〉と呼び掛け、特派員の発言をこう記している。

〈この一連の悲劇の背景に、「原子力業界のロビー活動」が見え隠れしている〉

 福島第一原発から放射能が拡散していることは事実である。しかし、空中、水中で高濃度の放射性物質が検出された後、東電が一旦は事の重大さを認め、その後、政府が「1回のエックス線撮影時に受ける放射線の○分の1」などと安全をしきりに強調するという展開が繰り返されている。

東電の清水正孝社長は「高血圧とめまい」が原因で入院。電事連会長の職も辞する方向で調整が始まった

 事態の矮小化の裏で蠢く「原子力ロビー」という言葉が指すもの。その中に、原発を管理・運営する東京電力をはじめとした電力各社、原子力政策を担う経済産業省と原子力安全・保安院が含まれるのは言うまでもない。

 だが、政策に影響を及ぼすことを目的とした私的な政治活動を指す「ロビー」という言葉をわざわざ使用した点に着目してほしい。それは、とある団体の政治的な活動が、原子力政策推進に一役買っているからである。

「これまでメディアを通じて原子力発電は安全だとPRするCMや広告を目にしたことがあると思います。電力会社の名前でなく、電気事業連合会(以下、電事連)というクレジットを目にした人も多いでしょう。

 この電事連こそ、露骨に原発推進を訴えにくい電力会社に成り代わって、豊富な資金量と政界へのパイプを駆使し、〝原発はなくてはならない〟という世論を形成してきた実行部隊と言えます」(全国紙政治部記者)

血相を変えた営業社員

 東京・大手町の経団連会館に事務所を構える電事連の公式HPには、'52 (昭和27)年に9電力会社で設立された(沖縄電力は'00年から正式会員)など、最低限の情報しか記載されていない。電力10社が会員の任意団体で、職員も各社からの寄せ集めだろうとしか推測できない。取材を申し入れれば「任意団体なので、HPに書かれている以上の内容にお答えできない」と、取り憑く島もなく拒否という態度だった。

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