東京は一人地0.23票、北海道も0.21票しかない。一票の格差を是正し、民主主義の基本「一人一票」を実現しよう

1票対0.43票

 政治の最終決定は選挙で行われる。選挙は、投票価値も含めて「一人一票」でなければならないのは当然だ。

 2011年3月23日、最高裁大法廷は、議員一人当たりの有権者数の格差(一票の格差)が最大2.30倍となった2009年8月の衆議院議員選挙の小選挙区を巡る訴訟の上告審で、いわゆる「一人別枠方式」の制度に対し、「違憲状態」との判決を下した。

 1994年の小選挙区制導入後、最高裁が衆院選での「一票の格差」を違憲状態と判断したのは初めてで歴史的な大判決だ。

 その「一人別枠方式」とは、小選挙区の300議席のうち、まず47都道府県に1議席ずつを割り振り、残りを人口比率に基づき、配分する方法だ。当然に人口が少ない過疎地域に配分が増える。

最高裁は、この方式については、要するに「新選挙制度導入にあたっての人口の少ない県の定数急減の激変緩和であり、この点の配慮がなければ、選挙制度改革の実現自体が困難であったため採られた方策だから、新選挙制度が定着し、安定運用の段階では、合理性は失われたというほかはない」とした。

 更に、この方式が格差を生む大きな原因となっていることから、最高裁は「できるだけ速やかに廃止」するよう求めた。我々、国会議員は、速やかに選挙制度の見直しに取り組まなければならない。

 そもそも、2.3倍の格差という数値は、最も有権者の少ない選挙区(高知3区
)の有権者数を「1」とした場合の最も有権者の選挙区の数値だ。

 しかし、逆の見方をすれば、高知3区の人が1票をもつとすれば、最も有権者の多い選挙区では0.43票しかもっていないことになる。要するに、到底、一人一票とはいえないような状態だ。 これが参議院になるともっと酷い。2010年の参議院選挙では、鳥取県1票に対し、お隣の兵庫では0.21票。県をまたぐと、突然、一票の価値が5分の1近くになることに対し、誰も合理性を説明できないだろう。

 東京は、0.23票で神奈川県は0.20票。ちなみに、北海道では0.21票だから、一票の格差の是正が地方の切捨てという指摘は必ずしも当たらない。

 これまで一人一票の実現に奔走し、「一人一票実現国民会議」の発起人の一人である升永英俊弁護士は、こう語る。

「一票の格差が生じている現行選挙法の下では、有権者の多数決ではなく、少数決となっている。これでは真の民主主義が実現しているとはいえない」

 現在の選挙法では、衆議院の選挙であれば、小選挙区の場合では42%の国民が過半数を送り込んでいる。参議院であれば、選挙区選出の場合では33%の国民が国会議員の多数派を選出している状態なのである。

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