劇団四季の〝無頼派演出家〟加藤敬二の「矜持」
「イエローモンスター」と呼ばれた伝説のダンサーが挑む
渾身の新舞台 『ソング&ダンス The Spirit』
『劇団四季ソング&ダンスThe Spirit』は10月10日より、四季劇場[秋](東京・港区)にて好評上演中だ〔PHOTO〕本多治季

「『ソング&ダンス』シリーズを作り始めたのが、十数年前。とりあえず、四季だから四季折々の4本を作ろうという話だったんです。その約束は前作で果たしました。ただ、頭の中にはもう次のシリーズのアイデアがある(笑)。やりたいアプローチがどんどん浮かんでくるんです」

 劇団四季『ソング&ダンス』シリーズの第5弾『The Spirit』の本番が4日後に迫った、10月6日。連日の稽古の疲れを微塵も感じさせず、構成〝振り付け〟演出を務める加藤敬二(49)は楽しげにそう語った。

 劇団四季の中心的ダンサーとしても活躍する加藤。彼のダンスは「同じ照明が当たっているのに、あの人だけ光り輝いて見える」(劇作家・井上ひさし)、「彼は、エンターテインメントそのもの」(俳優・高嶋政伸)と絶賛されてきた。20代の頃、ブロードウェイでレッスンを受けていると、あまりにジャンプの滞空時間が長いことから「イエローモンスター」と称された。現在は振付・演出家としても才能を存分に発揮する彼は、劇団四季代表・浅利慶太(78)をして「21世紀の四季を担う人材」と言わしめた。

 しかし、彼は決してダンサーとしてエリート街道を歩んできたわけではない。むしろ「無頼」とも呼べる道だろう。

 石川県金沢市生まれ。両親がマジシャンということもあり、幼い頃からマジックのアシスタントをしていた。ダンスも、最初はマジックに役立てばとの思いからだった。しかし、16歳でバレエを始めると、次第にダンスにのめり込んでいく。そして19歳の時、著名なダンススタジオに入るため、上京した。