Close up 坂本勇人
巨人 初めて明かす統一球との苦闘

さかもと・はやと'88年、兵庫県生まれ。楽天の田中将大とは、小・中学校の同級生。少年野球チームでは坂本が投手、田中が捕手でバッテリーを組んでいた。俊足巧打の遊撃手として、'07年に光星学院からドラフト1巡目で巨人へ入団。昨年までの通算成績は、打率2割8分2厘、57本塁打、192打点。184cm74kg

満塁では4割5分5厘と、チャンスでの高打率が目立つ。原監督も「勝負強さという点では勇人が一番」と信頼を置く〔PHOTO〕ジジ(以下同)

 不振から連続フルイニング出場が途切れた悔しさ、原辰徳監督との二人だけの特訓・・・本人が語った「新打法獲得」までの軌跡

「あぁ、もう!」

 巨人のリードオフマン坂本勇人(22)は、試合前のティーバッティングでイラついたような声を上げた。納得のいく打球を飛ばせないのだろう。不満気な表情を浮かべ、天を仰ぐ。本誌が取材で東京ドームを訪れた、9月下旬のことだ。坂本が、悔しさを滲ませる。

「今季は良くないですね。ぜんぜん。ちょっと調子が上がってきたら、またダメになる。その繰り返しです」

 レギュラーシーズンが残り1試合となった10月18日現在(成績は以下同)、坂本の成績は打率2割6分4厘、16本塁打、59打点だ。昨季、打率2割8分1厘、31本塁打、85打点を記録し、今季の目標に打率3割達成を掲げていた坂本にとって、とても満足できる数字ではない。

「結果を残せないのは、本当に悔しいです。1番バッターは、出塁しないことには勝利に貢献できない。1打席でも1球でも早く、何とか良い状態に戻そうと考えているのですが、なかなかうまくいっていないのが現実です・・・・・・」

 不振に喘ぐ坂本だが、これまでは着実にキャリアを重ねてきた。甲子園に出場した'06年春の東北大会では、光星学院(青森県)の4番として打率8割1分3厘、4本塁打の活躍。一躍その年の〝目玉〟として注目され、ドラフト1巡目で巨人に入団する。2年目に遊撃手のレギュラーに定着すると、3年目の '09 年には打率3割6厘、18本塁打、62打点の好成績でベストナインのタイトルを獲得。