オープンソース型スタートアップとしての『ウォール街占拠デモ』

創刊から3号目を迎える「The Occupied Wall Street Journal」

 9月17日にニューヨークのウォール街で始まった『占拠デモ』("Occupy Wall Street")は、既に2ヵ月目に突入し、米国の大手メディアでは連日取り上げられ、その機運は国毎に形は異なるものの、ますます世界的に拡大しつつあります。

 米国を中心とした海外のメディアによる報道やブログ記事等を通じてこの現象を見つめた際、最近強く感じることがあります。それは、この一連の『占拠デモ』運動と、近年のソーシャルメディア全盛時代のスタートアップ企業のあり方との類似性です。象徴的な点を3点、今回は取り上げてみたいと思います。

【1】敢えて目標(ビジネスモデル)を明確にしないことでユーザーベースを拡げることに成功

 『占拠デモ』に関してメディアや政治経済の専門家が話題にし、時に批判的にコメントしていることに、「彼らが何を要求しているのか、目的が分からない」という指摘が挙げられます。

 経済格差是正、富裕層が富を支配する政治経済システム(1%が99%を支配するしくみ)への反対、雇用創出、教育ローンの免除、税制改革等、多くのデモ参加者が掲げるアジェンダには、一筋縄ではいかない多様な要求が掲げられています。

 一方、この数週間のデモ運動の様子を見るにつけ、実は明確な要求を一つに縛らないでいたが故に、多くの人の共感を招き、参加を促し、注目を集め、影響力を拡大させているように感じられます。

 ツイッターやフェイスブックが最初に登場した際、明確な目標、ビジネスモデルがあった訳ではなく、ユーザーにとって意味があり、多くの人に利用、支持されることでユーザーベースを増やしていった様子が重なって思い出されます。

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