経済の死角

想定される「最悪の事態」とはどんな事態なのか

万が一、冷却に失敗したら

2011年04月14日(木) 週刊現代
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〔PHOTO〕gettyimages

雨の日は外を歩けなくなる

 原発事故沈静化の切り札となる冷却機能の回復が、地震から3週間経っても実現しないなど、誰が想像しただろう。レベル7の大事故・チェルノブイリ原発では発生から10日後、レベル5のスリーマイル島原発事故では16時間後に冷却がスタートした。

 いまや世界的に有名になった「フクシマ」では、それらよりはるかに長い時間がかかっている。その間、肝心の炉心がずっと不安定なまま放置され、放射線が漏出しつづけている。

 いったい事態は、どこまで進行するのか。そして、「最悪」の場合、どういった事態が起こることが考えられるのか。

 京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏は、現状を「きわめて深刻な事態」だと分析する。

「東京電力の勝俣恒久会長は、3月30日の会見で今後の見通しを問われ、何も答えられませんでしたが、それは事実彼らにも見通しがつかないからです。いま現場では、破滅的状況に至るのをなんとか回避している、という状態でしょう。

 止める、冷やす、閉じ込めるという3段階のプロセスのうち、すでに冷やすのが2週間続いて現在に至っています。私はこの事故の発生時、1週間で閉じ込めることが可能だと思っていました。しかしその後、専門家にとって『想定外』のことが次々に起こっています。仮にこのまま冷やし続けても温度が下がらなかった場合、破滅的な事態が起きてしまう可能性がある。いま、測定されている放射線量の10倍から20倍が放出されるでしょう」

 関東近辺に雨が降った3月22~23日には、東京でも0・1マイクロシーベルト前後の放射線が測定され、水道水中の放射性ヨウ素が「乳児に飲ませることを避けたほうが良い」レベルまで上昇した。

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