世界経済
世界経済は奈落の底に落ちるのかーー『2012年景気急落説』の可能性
最も大きなリスク要因はユーロ圏の問題だ〔PHOTO〕gettyimages

 大手企業の経営者と話をしていたら、"2012年景気急落説"が話題になった。その説とは、2012年にリーマンショックを上回るような景気阻害要因が発生し、それによって世界経済が奈落の底に落とされるような事態にあるというものだ。彼は、今の世界経済の状況をみると、そうした危機的なことが起きる可能性が高いとみているようだった。

 その背景には、ギリシャ問題を発端にしたユーロ圏のソブリンリスクの高まりや、米国経済の回復の遅れ、さらには中国経済の減速懸念などがある。そうしたリスク要因の中で、最も大きなものはユーロ圏の問題だ。

 当面、小康状態を保つことが期待されるものの、ギリシャやスペインなどの債務問題が簡単に片付くとは考えにくい。むしろ、独仏間の思惑の違いなどの阻害要因が台頭することが懸念される。それが現実味を帯びてくると、"2012年景気急落説"が俄然、可能性を高まることになる。

 ただ、過去の経験則から言って、人々が心配しているときに景気や相場の急変は起こりにくい。むしろ、多くの人々が「もう大丈夫」と言いだしてからの方が、予想外の様々なことが起きることが多い。今回も、そうした経験則が有効になる可能性が高いとみる。

ユーロ問題のインパクト

 ギリシャなどが抱える債務の問題は、今後も、そう簡単に解決の糸口が見えてこないだろう。国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)などからの支援によって、取り敢えずは、ソブリンリスク問題は小康状態になることが考えられる。しかし、それはあくまでも応急措置であり、ユーロ圏が抱える本源的な問題の解決にはならない。

 一方、欧州地域の金融機関の過小資本問題を解決するためには、これから1000億ユーロ程度の資本増強策が必要になる。最初の段階では、それぞれの個別行が増資を行うことになるのだが、それだけ多額の資金をスムーズに調達することができるか否か。疑問が残る。それができなければ、それぞれの国が公的資金を注入することになる。ユーロ圏には、それもできる国と、できない国がある。

 最終的には、欧州金融安定基金(EFSF)を拡充して、足りない分を賄うことになるだろう。問題は、独---仏間で事情が異なっていることだ。その溝が拡大して、金融機関に対する資本注入ができないと金融市場の不安心理が増幅して、金融システムの機能不全化が発生する可能性が高いことだ。それが現実になると、そのインパクトはリーマンショックに匹敵するものになることが懸念される。

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