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潜入ルポ 福島第一原発「被曝覚悟で闘う現場作業員たち」
放射線量が増大し作業はますます危険に
福島第一原発周辺の通行車両を除染する作業員。「一日1回、防毒マスクのフィルターを交換しています」〔PHOTO〕結束武郎(以下同)

 福島第一原発周辺の通行車両を除染する作業員。「一日1回、防毒マスクのフィルターを交換しています」

 芝生の上にサッカーボールは見当たらなかった。ピッチの隅に追いやられたゴールの脇では、クレーン車が鉄板を敷き詰める作業を進めている。駐車場に目を向けると、陸上自衛隊の74式戦車が2台と航空自衛隊の赤い消防車数台が見える。

 パタパタパタパタ・・・。

福島県楢葉町の「Jヴィレッジ」には、防毒マスクに防護服をまとった白装束の男達が数多く作業していた

 大きな音がする方角を見上げると、迷彩色のヘリコプターが降下してきた。砂埃が上がる着地点に向け、防毒マスク、防護服をまとった白装束の男たち数人が駆けていく—。サムライジャパンの合宿所として知られる、日本最大のサッカー施設「Jヴィレッジ」(福島県双葉郡楢葉町)。原発建設の見返りとして東京電力が県に寄贈した広大なサッカー場は、皮肉なことに、その東電のために戦場と化していた。

 東日本大震災以来、緊迫した状態が続いている福島第一原発。東電社員、自衛隊、東京消防庁ハイパーレスキュー隊らが連日、命がけの復旧作業を行っている。

 その前線基地となっているのが、第一原発から南方20Kmに位置するJヴィレッジだ。避難勧告エリアにあるため、メディアのカメラが入るのは本誌が初。だが、記者が現地に足を踏み入れた3月27日午後の時点で"基地"には100名以上の男たちがいた。自衛官や消防隊員より、むしろ目立ったのは大手ゼネコンや東京電力の協力会社の作業員たち。

「私たちはテレビには映りませんから」