今年もあの季節がやってきた・・・
プロ野球獲るべきか、見送るべきか
スカウトが迷うとき

昨年は早大・斎藤に4球団の1位指名が集中した〔PHOTO〕gettyimages

 輝かしい一瞬だ。プロ野球ドラフト会議。だが、指名される栄光は一瞬だ。本当の幸せと不幸はその後に待っている。一人の人間の人生を左右する選択。スカウトたちは最後まで悩む。これでいいのかと。

多くの失敗と別れを経て

「斎藤フィーバー」に沸いた昨年のドラフトから、約1年が過ぎ、再びこの季節がめぐってきた。

 '09年まで巨人のチーフスカウトを務めた中村和久氏は、現役スカウトにとって1年間で最も悩ましい時期だと語る。

「ドラフトは出会いであると同時に、多くの失敗と別れの上に成り立っている。スカウトからすれば、試験と成績発表が同時に来るような気分ですよ」

 支配下登録数に上限のあるプロの球団にとって、新戦力獲得の前には、同じだけの犠牲が払われる。今回も、'04年に自由獲得枠で鳴り物入りで横浜に入団した那須野巧(29歳・ロッテ)が戦力外となった。

「実績・実力はあっても、プロではその一端すら見せられぬまま去っていく選手は、いくらでもいます。だからこそ、本当に活躍できるか、獲るべきか獲らざるべきか。チームの『眼』であるスカウトは、とにかく選手を深く観察し、迷う必要がある」(中村氏)

 ではスカウトたちは選手のどこを見て、獲得を迷い、あるいは決断するのか。

 今もベースボールアナリストとして、アマチュアの試合を視察する中村氏が、必ずチェックするポイントがある。投手なら肘の使い方と上体のしなり、野手なら脚力と肩。それらは先天的要素が大きいからだ。