2011.10.25(Tue)

「日本人は何を食べてきたか」第1回 織田信長
こんにゃくまで赤く? ド派手信長伝説

筆者プロフィール&コラム概要

筆者 本郷明美(ライター)

「なんてったって信長!」

 唐突にすみません。織田信長の「食」の記録を読んでいると、どうにもこのひと声、かけたくなるんです。戦国武将のなかでも奇人・強烈な性格として名高い信長らしい逸話揃いなのである。

 まずは信長さま十代、まだ初々しい・・・と言いたいのだが、すでに巷では「大うつけ(大ばか)」として知られていた頃のこと。着物をはだけさせ肩はもろだし、髪は茶筅髷。ま、ポニーテールのような髪型ですね。この茶筅髷、当時大流行だったとのこと。信長、ファッションには敏感だったのだ。

 そして稀代の派手好き! 信長は自分の髷を紅色や萌黄色など色とりどりの糸で結わえ、朱い鞘の大刀を腰に刺し、お付きの者の武具も朱色で統一(!)させていたというから相当である。ちなみに、信長の領地であった近江八幡名物の「赤こんにゃく」は、派手好きな信長が赤くさせた、という説が残る。信長の派手好き、「赤好き」はかくも有名なのである。

 信長さま、そんなド派手ファッションで街中を闊歩する。いい。そこまでならかっこいい。が、おやおや歩きながら栗と柿をかじる! 次に食べ出したのは瓜? あれ、餅まで喰っちゃう?

「もうっ信長さまったら幻滅っ」

 なんて、密かに憧れていた町娘が言ったかどうかは知らないが、これは相当な非常識。

 街中でものを食べるだけではない。食べながら人に寄りかかったり、肩にぶらさがったりしたというから、ほんと猿レベル。

 とはいえ、私たちは信長がただの「大うつけ」ではなかったことを知っている。その後信長は数多の戦いを制し天下統一を果たす。

「腹が減っては戦ができぬ」。戦いが続く毎日、信長はもちろん食べる、食べる。天下に名高い桶狭間の戦い前、やはり立ったままご飯を食べて「いざ出陣!」。

 家来たちはついていけたのか?

「さっ参るぞ」

この連載記事のバックナンバー
トップページへ戻る

賢者の知恵

週刊現代、セオリーより、マネー、生活関連の特集記事をお届けします。