東電は「国有化」より、「メキシコ湾BP型ファンド」創設で速やかな対応を菅総理に求められるスピード感と広い視野

2011年04月05日(火) 町田 徹
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 例えば、1日。首相は、今月11日までに立ち上げたいという「復興構想会議」の話を記者会見の目玉に据えようとした。この会議が復旧・復興整備の第1弾で、青写真を描く役割を担わせるというのだ。

 しかし、すでに、この時点までに、被災から3週間という貴重な時間が過ぎ去った。青写真などとっくに完成しており、復旧・復興の実行段階に入っていなければならないタイミングを迎えているはずである。

 その一方で、急務の復旧関係の特別立法の策定作業が混乱を極めている。阪神淡路大震災の際は、震災から1ヵ月で16の特別法が国会に提出されたが、今回は土台となる基本法に何を盛り込むかさえ決まっていない。4月中の提出すら危ぶまれる。

 財源問題での指導力不足も深刻だ。首相は1日の会見で、「今年度の予算の一部凍結では十分ではないことは明らか」と認めながら、「復興構想会議や与野党の協議で合意形成を図りたい」と自らリーダーシップを放棄し、具体策に言及しなかった。せめて、子ども手当の凍結など、民主党のマニフェストの修正ぐらいは手をつけるべきだ。その程度のリーダーシップさえ発揮できないようでは、首相の職責はまっとうできない。

 半面、事務方では、「復旧復興特別税」という名の増税や、「震災国債」と名付ける国債の日銀引き受けなど、景気やマクロ経済の足を引っ張りかねないキワモノの論議が繰り広げられている。

 しかも、特別税の軸は所得税増税で、中高所得層に重い負担をかけるとされる。所得税の増税は、消費税増税より個人の消費意欲が減退させて、折から減速気味の日本経済の足を引っ張りかねない。

東北だけでなく西日本もにらみ一極集中の緩和を

 内閣府は25日の月例経済報告にあわせて、東日本大震災の「マクロ経済的影響の分析」をまとめたが、それによると、北海道、青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の1道6県で、社会インフラ、住宅、民間企業の設備といったストックが受けた被害は、16兆円から25兆円に達する。

 国の一般会計の当初予算規模は90兆円強で、このうち40兆円以上の財源は国債発行に依存している。かねて財政不安が指摘されてきた状況なのに、その財政に復旧・復興負担をすべて押し付けるのは財政破綻懸念を煽る愚策である。

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