東電は「国有化」より、「メキシコ湾BP型ファンド」創設で速やかな対応を菅総理に求められるスピード感と広い視野

2011年04月05日(火) 町田 徹
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 これまでの政府・東電の対応はあまりにも遅過ぎる。事故そのものの対応に追われているとはいえ、賠償・補償問題では、ようやく先月30日になって、笹木竜三文部科学副大臣が「原子力損害賠償紛争審査会を4月中にも設置する」と表明した程度なのだ。

 こうした対応は、JCOの臨界事故を受けて、賠償の制度化やマニュアル化などを提言していた「原子力損害賠償制度の在り方に関する検討会」の第1次報告書(2008年12月公表)の提言にも反する怠慢だ。

 とにかく、まずはこれまでの遅れを取り戻し、困っている避難者や農家、漁師への一時金支払いを迅速に行うため、政府・東京電力には視野を広げて迅速な措置を講じていただきたい。

 もし、万が一、避難指示や屋内退避勧告が何ヵ月にもわたって解除されず、ファンドの資金が不足する事態になれば、その時には改めて他の資産の換金手法などを検討すればよい。

 日本経団連加盟企業の中には奉加帳が回ってくるのではないかと危惧する声があるが、そんなものを回すぐらいならば、特別立法で関西電力、中部電力など東電以外の全国8つの地域独占の電力会社や、電源開発(Jパワー)が積んでいる同じような趣旨の資産をプール制にして、今回の危機に供出して貰う手もあるだろう。一気に資金量を数倍に膨らますことができる。

 責任を持って安定供給を果たす企業が現れれば、供給継続を条件に、発電設備や送電設備を売却する案も考えられる。管理・経営責任も明確にせず、あらゆる対策も講じないまま、血税をリスクにさらす解体論や国有化論を論じることは許されない。

タイミングを失った復興構想会議

 紙幅を費やしてしまったが、本コラムは週に1本しか公表できないので、本格的な復興のために、菅政権の視野の狭さにも苦言を呈しておきたい。

 まず問題なのは、首相の復旧、復興対策が、原発事故の賠償問題と同様に、スピード感を欠き、発想が硬直的になっていることだ。

 その結果、軸足が、新たな組織や会議作りばかりに偏り、肝心の施策の中身作りが遅れている。

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