外国人記者が見た「この国のメンタリティ」 「優しすぎる日本人へ」

2011年04月06日(水) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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 古い情報を小出しにし、明確な説明を避けるかのような枝野官房長官の姿勢は、自分の国ではあり得ないことだ---。海外の記者は口々にそう言うが、おそらく彼らからすれば、そんな姿勢を許してしまっている日本のメディア、ひいては国民の姿も奇妙に映っていることだろう。

どうして許してしまうのか

ほとんどの外国人記者が日本政府の原発情報を信じなかった〔PHOTO〕gettyimages

 ニューヨークタイムズ東京支局長のマーティン・ファックラー氏は、政府の原発対応と同じく、東京電力の対応にも問題があったと見ている。

「原発にトラブルが発生してからの東電の対応には、間違いがたくさんあったのではないでしょうか。東電には中央省庁から天下った役人が多くいるため、官僚的な体質になっているのでしょう。

 誰も責任をとろうとせず、誰も誠意のある情報開示をしない。'55年体制下の日本では、こうした場面がよく見られましたが、今回はその最悪のケースを見ているようでした。

 アメリカであればメディアやNGOが、ここまで無責任な企業を許していないでしょうが、不思議と日本のメディアや国民の多くは、東電の責任追及を行う気がないようにも見えますね」

 政府や東電の対応の遅さが原発被害の拡大を招いた以上、これは天災ではなく人災である。それを政府も東電も「想定外の災害だったから」の一言で片づけようとしている。他国であれば決して許されることのない強引な論理を、日本人はなぜ許してしまうのか。なぜもっと不満の声を上げないのか---。海外メディアの記者たちは、その「優しさ」と「仕方がないの精神」に驚くと同時に、戸惑っているようにも見えた。

 地震に見舞われた日本の惨状と、その惨状に耐える日本人の姿を海外メディアが報じることで、世界中が日本に支援の手を差し伸べていることは事実だ。前出の中国人記者が「中国のネットでこんな書き込みがありました。

『もし日本と中国が戦争になれば、私は最前線で戦う。しかし、日本が災害に見舞われたときは、最前線で彼らを救いたい』と。

 中国国民の多くは、なんとか日本を支援する方法はないかと真剣に考えています」と説明するように、世界の国々は日本のことを本当に心配してくれている。

 しかし、彼らは温かい手を差し出す一方で、厳しい視線を日本に向けていることも事実だ。そして彼らは同時にこうも思っている。本当は日本国民自らが上げなければいけない声を、なぜ海外メディアが代弁しなくてはならないのか、と。私たちはこのまま「優しすぎる日本人」で居続けていいのだろうか。

 

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