北京のランダム・ウォーカー

「日本は大丈夫か」から「中国は大丈夫か」に変わった「大震災の風評被害」

テレビビュースのトップは連日、「今日の福島」

2011年04月05日(火) 近藤 大介
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塩が消えた上海のスーパー〔PHOTO〕gettyimages

 お見合い中の中国人男女の会話。

女:あなたマンションは持ってるの?
男:持ってない。
女:では車は持ってるの?
男:いや、車も持ってない。

女:仕事は?
男:いま探してるけどなかなか見つからない。
女:じゃあ一体、何を持っているっていうの!?
男:十分な塩を持っている。
女:ああ、我が愛しい夫!(と言って男を抱き締める)

 これはいま中国でウケている最新の「小咄」である。何人もの友人から、同じ内容のメールが送られてきた。日本の核汚染の不安から、中国が「塩パニック」に陥ったことを、若者の就職難や生活苦を皮肉りながら表現したものだ。

 実際、福島原発の影響で、中国近海が汚染されるという'風評'によって、中国中の人々が塩の買い占めに走った。その結果、中国の店舗という店舗から塩が消え、「塩不足」を理由に、店を閉じるレストランまで出始めたほどだ。中国政府は、「中国の海岸は安全」と再三にわたって国民に呼びかけているが、多くの国民は疑心暗鬼でいるのだ。

天気予報で放射能測定値を毎日、発表

 一般に中国人は、「日本製品」に対して、絶対的な信頼を抱いている。

 ひと缶250元(1元=約12・5円)もする明治乳業の粉ミルクが、永くネットショップの売り上げ第1位を占めていたし、日本旅行の人気おみやげ第1位は、安心してご飯が炊ける象印の炊飯器だった。新聞を開けば、「日本製の納豆を直売します」という広告をよく目にしたし、OLは少し貯金が貯まると、日本製の化粧品に手を伸ばす。また、韓国現代自動車製のタクシーを普段運転させられている北京のタクシードライバーの多くが、自家用車ではトヨタやホンダ車に乗っているという事実もある。

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