資源エネルギー庁があっさり認めた「東電に返済義務はない」--復興増税を国民に押し付けながら銀行と株主を守ろうとする野田政権

2011年10月21日(金) 長谷川 幸洋
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 つまり、東電が「電気の安定供給」や「事業の円滑な運営」に支障があると理由を挙げれば、いくらでも負担金の金額をまけてもらえるのである。

 10月7日付けコラムで指摘したように、金額を決める機構の運営委員会が経産省・東電に都合がいい調査報告をまとめた当事者たちで構成されているのだから、初めから東電に厳しい結果になるわけもない。

 調査報告がまとめた4兆5000億円の賠償負担に加えて、除染費用が前回コラムで指摘したように、少なくとも8兆円とみれば計12兆5000億円。当初、報じられたように東電の返済(特別負担金)が年1000億円程度とすれば、完済するのに125年かかる計算である。こんな話をだれが信用するだろうか。

 こうして政府が決めた東電の賠償枠組みをあらためて検証してみると、国民負担の最小化という話は支援機構という官僚お得意のプレハブ住宅に交付国債と現金、それに特別負担金を仕掛けを埋め込むことで、東電に兆円単位の税金を流し込む「壮大なデタラメ」だった。

 東電は政府から受け取った資金の相当部分を結局、返済しない。それは国民負担になる。野田佳彦政権は9兆円の復興増税を国民に押し付けながら、それ以上のカネを東電につぎ込んで銀行と株主を守ろうとしているのである。

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