不正・事件・犯罪 裏社会
大王製紙・井川意高前会長がハマった「麻布・六本木」の魔窟ネットワークを
「暴排条例適用第一号」で狙う警察当局

酒井法子、押尾学、市川海老蔵もどっぷり浸かった

 使途がハッキリせず、取締役会の決議も受けない井川意高前会長の巨額借り入れが発覚した大王製紙は、東京地検特捜部に刑事告訴する方針を固めた。

 発覚から一ヵ月も経たないうちに、特別背任罪での告訴を決めた背景には、問題を引き延ばしに出来ない深刻さがあり、10月から新体制となった特捜部にとっても、鼎の軽重を問われる事件となった。

 特捜部の役割は、特別背任容疑を固め、使途不明金の先に、東大法学部卒で「政官」のエスタブリッシュメントに人脈のある井川氏の不明朗なカネの流れに、疑惑がないかどうかを確認することだろう。

 ただ、「世間の関心事」は、特別背任の事実認定より、「エリエール」で知られる大手製紙会社の御曹司が、一流の経歴と人脈を持ちながら、なぜ「酒と女と博奕」に入れ込み、身を持ち崩したかにある。

井川氏を導いた元俳優のクラブ経営者

 特別調査委員会の調べに対し、井川氏は「カジノは個人資産でやった」とし、84億円の使途は「株やFX(外為証拠金取引)への投資に使った」と、説明しているという。

 確かに、昨年4月から始まった借り入れが、今年4月から9月にかけて急増しているのは、「3・11大震災」による株価暴落で、株先物などに手を出していて、奈落の底に突き落とされた結果、とみえなくもない。

 だが、取材で浮かび上がる破天荒な使いっぷりは、上場経営者としての"則"を越えており、その人脈に暴力団排除条例でいうところの「密接交際者」も含まれており、早晩、井川氏は排除されていただろう。

 実際、井川氏を取り巻く環境は、酒井法子、押尾学、朝青龍、市川海老蔵らが引き起こした事件と同じである。

 歌手、タレント、モデルといった"選ばれた女"がいて、酒食の場は、会員制のくつろげる空間であり、バー・クラブならVIPルームで優越を味わった。また望む人には、裏カジノやクスリといった刺激もあった。

 そんな「非日常的空間」が、「麻布・六本木」にはいつの間にか出来上がった。

 裏カジノやクスリといった非合法は別にして、孤独な若手経営者が集まるようになったのは、そこに癒しと刺激があったからである。株価を維持、投資家や銀行のプレッシャーを受け、社員の前では弱みを見せられない経営者たちが、ストレスを発散できる手っ取り早い空間が、「麻布・六本木」にはあった。

 元俳優のクラブ経営者に"道筋"をつけてもらった井川氏は、その世界で「カネ払いのいい客」として知られるようになる。

 元俳優の店は閉じられたが、六本木の名物ママのいるIや同じ六本木の有名店N、西麻布の元Jリーガーが経営するFに、井川氏が人気グラビアアイドルや売れっ子モデルを連れて訪れると、高級シャンパンが次々に空けられるのだった。

 また、国内でのカジノ遊びはほどほどだったが、海外ではカジノ好きの「裏人脈」の誘いもあって、マカオやラスベガスで派手に遊び、「未清算金」が残っているという。

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