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福島第1原発〔PHOTO〕gettyimages

 3.11は、日本の歴史に非連続的な断層を作った。福島第1原発の結末次第で、断層の大きさが決まる。天災は危機のマネジメントを間違えると、人災に転化する。

3.11は、大規模かつ長期に渡る災禍である。被災地や福島原発において、膨大なサンクコスト(埋没費用)が発生する。これまでに投下した資金のうち、事業から撤退・縮小しても回収できない費用が、かつてない規模で発生するだろう。

 これだけではない。サンクコスト以外にも暴走原発の鎮圧に多額の費用が発生する。

 復興への道のりにおいて、資本、労働、土地といった生産要素の配分にも変化が起きる。資本や労働者の行き先などが変わり、今ある産業の資本や労働力の確保の条件が変わってくるだろう。これにより、国際貿易の比較優位の条件も変化することになる。トヨタやパナソニックが日本から逃げ出すこともありうるということだ。

 また、場当たり的「計画停電」で電力供給不足が続けば、外食や観光など需要構造が変化する可能性も高い。サービス産業を支える中小企業がバタバタ倒産することが現実味を帯びている。

 震災によるコミュニティの崩壊は、地域の中でお互いに助け合う相互扶助の精神に依拠した醇風美俗の危機でもある。下手をすると、とめどなく人心は荒廃していく危険性がある。

 日本が大きな非連続的断層に直面した。現実を直視しなければならない。

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