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ドイツの潔癖感とギリシャの選択肢
直接会談をしたフランスのサルコジ大統領とドイツのメルケル首相〔PHOTO〕gettyimages

 10月中旬、フランスのサルコジ大統領とドイツのメルケル首相が直接会談を持ち、ユーロ圏の金融不安問題に解決に向けて一定の合意が出来たと報じられた。それに伴って、金融市場では一時、ギリシャなどのソブリンリスクの拡大に歯止めがかかるとの期待が醸成された。

 しかし、両国首脳は、政策の方向性については意見の一致を見たものの、実際の政策運営などについてはまだ無視できない相違点があるようだ。実際問題として、欧州金融安定基金(EFSF)の機能拡充に関するユーロ圏17ヵ国の承認は何とか得られたものの、主要国間でギリシャに対する救済措置や、金融機関向け公的資金の注入方法などについて調整が難航していえるようだ。

 問題は、意見調整が難航している間にも、時間が容赦なく経過していることだ。金融市場が、そうした政策当局の"後手"のスタンスを容認してくれるか否かだ。金融市場が痺れを切らすようなことになると、株式や為替などの金融市場が大きく混乱することも懸念される。その場合には、世界経済が本格的な景気後退に直面することになる。

ドイツ独特の潔癖感

 ユーロのソブリンリスクが表面化して以降、ドイツの友人と話をする機会が増えた。彼らと話をしていると、一つ明確に感じることがある。それは、ドイツ人が持っている、一種の潔癖感だ。彼らは、仕事に対してとてもまじめで怠けることを嫌う。一生懸命働くことに強い美学があるように思う。

 そのため、南欧系の人々とは波長が異なる部分がある。ドイツなどの北欧系の人々も、イタリア、スペインなどの南欧系の人々も両方がそれを理解している。それでも、自分の身に問題が降りかかってこない間は、両者はお互いに尊重しあって共存することが出来た。

 ところが、昨年5月、ギリシャ問題が顕在化し、それに続いてアイルランド、ポルトガル、さらにはスペイン、イタリアとドミノのようにリスクが拡大し、それが、足元でユーロ圏の金融システム不安にまで拡大する様相を呈している。そうなると、国民のカルチャーの違い、特にドイツ人の潔癖感が無視できない相違を作り出している。

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