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もろすぎる!東京のインフラ
大地震が直撃したら間違いなく大パニックに 携帯・交通は即死、食料消えた
交通機関が動かないため、徒歩での帰宅を試みる人たち〔PHOTO〕gettyimages

 震度5でこれなら、震度6や7の地震が来たらどうなるのか。都市機能オールストップ。移動できない、連絡できない。まるで宙吊りにされた感じ。不安な気持ちを抱えたまま、それでも東京に住みますか。

すべて売り切れ

 3月15日午後6時、JR東京駅の新幹線切符売り場には行列ができていた。仕事を終えたサラリーマン風から家族連れまで、大阪方面行きの切符を買おうとしている。旅行や出張に行くというわけではない。抱えている荷物は、ビジネスや旅行に行くにしては物々しすぎるし、表情もどこか浮かない。彼らは西に「避難」しようとしているのである。

 あまり報じられていないが、地震後、東京からの脱出を図った人たちが少なからずいたのだ。

 福島での原発事故の情報をイヤというほど耳にして、なるべく遠くに逃げたいと思ったのだろう。加えて、彼らの深層心理には「地震が発生すれば東京は危険だ。早く首都圏から逃げ出したい」という気持ちがあったはずだ。

「東京ほど地震に弱い都市はない」

コンビニからはモノが消えた〔PHOTO〕gettyimages

 3月11日、東京にいた人は、誰もがみなそう再認識したはずだ。その日、東京は震度5の地震に見舞われた。東北地方と比べればそこまで大きな揺れではなかったにもかかわらず、東京のインフラはことごとくマヒしてしまったのだ。

 携帯電話、コンビニ、鉄道。日々の生活に欠かせず、災害時においても頼りにしているインフラの数々が、まったく機能しなくなったのである。もしももっと大きな地震がきたら、一体どうなってしまうのか。不安は募るばかりだ。

 携帯電話が通じないため公衆電話に並んだ人々の姿は、今回の地震による混乱を象徴するシーンだろう。携帯電話は、地震発生から数時間は完全に通話ができない状態が続き、夜が深くなった頃にようやく復旧し始めるというありさまだった。災害時において、携帯電話は安否確認のもっとも有効なツールとなる—それは単なる盲信だったのか。

「携帯電話が役に立つのは、中規模な災害においてであり、大規模な災害、生き死にを分ける状況では頼りになりません」というのは、テクニカルライターの三上洋氏。

「災害時に携帯電話がつながらなくなるのには、三つの原因がありますが、今回はその三つすべてが同時に起こったのです」

 一つ目は、通信が集中することによって電話がまったく使えなくなることを防ぐために、各電話会社が発信制限をかけるため。二つ目は、地震などによってネットワーク設備が分断される、あるいは基地局が壊れるため。三つ目は、基地局の電源が停電などによって動かなくなるため、である。今回の地震で、NTTドコモだけでも約6700の基地局で電波が止まってしまったという。この3つの障害が、人々の「生命線」をあっさりと断ってしまったのだ。

「震度5のやや強い揺れでも機能しなくなったわけですが、震度6強の直下型の地震が東京を襲えば、もっと絶望的。最低でも復旧に24~36時間がかかると見られています」(三上氏)

「auがつながりやすい」「霞が関のほうでは普通に携帯がつながった。やはり官僚や政治家は特別扱いか」—地震の後、こんな話が東京を駆け巡った。この手の噂の真偽は定かではないが、こうした噂が出回るのは、「携帯がつながらない」ことがどれだけ心理的な不安を与えるかを物語っているといえよう。

 地震発生後、携帯電話で連絡をとろうとし続けた結果電池がなくなり、慌ててコンビニに駆け込み、使い捨ての充電器を買おうとした人も多くいた。しかし彼らは店内の光景に驚くことになる。充電器がすべて売り切れていたのである。

「普段はキャリア毎に充電器を10個ほどそろえているのですが、地震発生から1時間もしないうちに売り切れてしまいました」というのは新宿駅近くにあるコンビニ店員の話。この日から数日間、充電器に限らず、首都圏のコンビニは常時「モノ不足」の状態に陥った。

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