参議院議員の田村耕太郎氏が自民党を離党して民主党に入党した。このこと自体についてとやかくいう積もりはない。

小沢幹事長をはじめとして、現在の民主党員の多くは元自民党員だ。
田村氏は、ご本人が自らの掲げる政策が実現しやすいと考える進路を選ばれたのだろうし、この結果、社民党が参議院でキャスティング・ボートを失うことについては、民主党政権の制約が一つ解けるという意味でむしろ歓迎したい。
ただ、彼がかつて掲げていた政策であまり実現して欲しくないものがある。
それは、日本版国家ファンドの設立だ。自民党時代の彼は、日本版国家ファンドの設立構想を方々で語った。これに賛成する議員が議連を立ち上げることもあったし、年金積立金を預かる舛添前厚労相が「10兆円くらい(積極的な運用に)チャレンジしてみてもいいかも知れない」と語ったこともあった(自分のカネでもないのに、いい気なものだ!)。
民主党に貴重な議席をもたらした田村議員は政策的なアピールを積極的に行いやすいポジションにあり、日本版国家ファンド構想は彼の顔を立てる上でおあつらえ向きの政策に見える。
「国家ファンド」の政治的な意味内容は「金融版の公共事業利権」だ。金融業界を手なずけたい民主党政権がこの設立に動く可能性は、政治的に十分あるだろう。
今の段階では、筆者個人の「悪い予感」に過ぎないが、この種の話は動き出すと早い。
国家ファンドを提言するレポート
一方たまたまであろうが、社団法人日本経済調査協議会という組織から「政府系ファンド(SWF)の役割と政策的インプリケーション」と題するレポートが届いた。みずほ証券(株)シニアアドバイザー吉國眞一氏が主宰する委員会が作成したもののようだ。
今現在、このレポートが重要な意味を持っているというわけではないが、国家ファンドを推奨する典型的な意見として、論旨をご紹介してみたい。
このレポートは世界の国家ファンドを概観し紹介するところから始まるが、日本にも既に国家ファンドがあるとする見方をするところが目新しい。
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