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人気の湾岸・高層マンション地帯 豊洲~浦安が「恐怖の液状化」
東京・千葉のウォーターフロントを記者が歩いた
【浦安市高洲1丁目】フタだけではなく、マンホールごと浮き上がったのだから驚く。住宅街の路上だ

泥水が噴水みたいに

「本当にまいりました。5年前に新築した家が、こんなことになるなんて・・・」

 千葉県浦安市高洲1丁目に住む主婦はこう嘆いた。新築間もない3階建ての自宅が地盤沈下で傾いてしまったのだ。

 東日本大震災で、東京湾岸部は震度5強の揺れに襲われた。都心でも九段会館の天井が崩落して2人が死亡するなど犠牲者が出たが、高層マンションが林立する、セレブな住宅地として人気のウォーターフロントにも衝撃が走った。地盤の液状化が起きたのだ。2月のニュージーランド大地震でも見られた液状化とは、どんな現象なのか。愛媛大学防災情報研究センター准教授・森伸一郎氏が説明する。

「水を多く含んだ緩い地盤に強い揺れが加わると、土の粒子が密になろうとして隙間にある水に圧力がかかる。すると、水は圧力の低いほう、つまり地表に向かって押し上がろうとする。その結果、泥水が噴き出す。いったん出始めると、まるで水道管が破裂したように、20~30cmの高さになり、場所によっては飛沫(しぶき)が2mに達することもあります」

 液状化が起こりやすい土地は、埋め立て地、河川の近く、昔河川が流れていたような土地だ。東京湾を埋め立てた湾岸地区は、最も液状化が起こりやすい環境というわけである。冒頭の主婦が続ける。

【江東区新木場4丁目】 地震後、公園のタイルの隙間からブクブクと泥水が吹き上がる。なかなか止まない・・・

「家から飛び出すと、足下のアスファルトがグニャグニャ波うつように揺れて、バリバリと音をたてて割れた。底が見えないほど深い亀裂が入っていました。隣の家の庭の真ん中から、泥水が噴水みたいにビュービュー噴き出して。

 駐車場が30分もかからずに泥のプールになりました。家を建てる時は、このあたりの地盤が緩いことを知っているので、基礎に人一倍おカネをかけ、マンション並みにたくさんのパイル(杭)を深く打ち込んだのに。家屋は壊れなくても、これではね」