ある日突然、高血圧

脳卒中 心筋梗塞 腎不全 認知症に

(週刊現代)

高血圧患者は推定で3000万人いるという。だが、そのうち治療を受けているのは2割程度。高血圧の恐ろしさ、そして自分の血圧を知らない人が多すぎるのだ。

 高血圧患者は推定で3000万人いるという。だが、そのうち治療を受けているのは2割程度。高血圧の恐ろしさ、そして自分の血圧を知らない人が多すぎるのだ。

脳の血管がバチンと破裂

「会社で受けた定期の健康診断では、血圧は上が130、下が80と正常値だったのです。ところが、それから半年後になんとなく気分が悪くなり、近所の医者に診てもらったら、血圧の数値は上が170、下が110で、『このままでは命に関わりますよ』と言い渡されました。なぜ知らぬまに血圧が上昇したのか、まったく原因は分かりません」(55歳・会社員男性)

 年1回の健診で血圧に問題がないからといって、安心してはならない。後述するが、血圧はちょっとした要因で大きく上下することがある。ある日突然、高血圧が原因で、命を落とすことだってありうるのだ。

 高血圧治療の権威、東京都健康長寿医療センター(板橋区)副院長・桑島巌医師は、こう断言する。

「『メタボ健診』では、ウエスト、血糖値、コレステロール値、血圧を計りますが、そのなかで、最も重要視しなければならないのは何か? それは血圧だと私は答えます。高血圧はそれほど危険因子なのです。なぜなら高血圧は『血管病』、つまり脳出血や脳梗塞、心筋梗塞、腎不全などの重大な疾患につながるからです」

 また、あまり知られていないが、高血圧は認知症の原因にもなる。認知症にはアルツハイマー性のものと血管性のものがあるが、後者に高血圧が関係するのだ。

林泰医師

 東京・銀座で28年間、サラリーマンを中心に生活習慣病の治療をしてきた有楽橋クリニック院長の林泰医師はこう説明する。

「脳動脈硬化型認知症の原因は高血圧です。前頭葉のなかに小さな脳梗塞がぽつぽつできて、繊維がつながらなくなるので、『まだら痴呆』になる。挨拶や応対はできるけれども、計算ができなかったり、人の顔がわからなかったりということが起こります」

 そもそも高血圧とは何か。正確な知識を持っている人は意外に少ないかもしれない。林医師はこう語る。

「心臓は収縮と拡張を繰り返しながら、血液を血管の中に送り出します。そのとき、血管の内壁に圧力がかかりますが、心臓が収縮して多量の血液が送り出されるときに最も強くなる。これを収縮期血圧(上の血圧)といいます。

 逆に、心臓が拡張して血液が心臓の中に呼び込まれる時、血管にかかる圧力は最も低くなる。これが拡張期血圧(下の血圧)です。

 血圧の正常値は収縮期血圧が130mmHg未満で、拡張期血圧が85mmHg未満。この値を超えた場合、高血圧ということになります」

 高血圧は放置することで、動脈硬化を進行させる。それにより脳や心臓、腎臓などの臓器で、命に関わる重大な疾患を招く。

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