経済の死角

老後の貯え「投資で大失敗」
そして家族に見捨てられた 気がつけば丸裸に

事例集 株 投資信託 マンション投資
外貨預金ほか

2011年03月23日(水) 週刊現代
週刊現代
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 投資に失敗はつきものだ。ひとつ間違えればあっという間に資産が吹き飛ぶ。特に老後は現役時代と違い収入が激減するため、貯えを失えば致命傷となる。先人たちの失敗例から注意点を学ぼう。

株で2000万円がパー

 まずは株式投資で大損した元大手ゼネコン勤務の大武雄二氏(仮名、63歳)の声を紹介しよう。

「定年退職後、証券会社の営業マンから『預金だと金利は1%にもならない。株式投資をしてみませんか』と勧められたことをきっかけに投資を始めました。購入したのは、東京電力と東武鉄道の2銘柄。東電はアジア進出で将来が期待できる割安株だと思い3000株を900万円で、東武鉄道株はスカイツリーの完成が近付けば徐々に株価が上がると思い1万5000株を750万円で買いました。

 二つとも安全な値上がり株だと思って選んだのですが、東電は増資に踏み切り、株価が1900円にまで下落。上がる気配がないので手放したら、300万円以上の損になっていました。ショックでしたが東武鉄道で取り戻そうと思っていたら、今度は東武鉄道も増資。

 いまも株価が300円台にまで落ち込んでいて、売れば再び300万円の損になる。甘いセールス文句に乗って株式投資を始めましたが、1500万円以上あった資産をわずか2年余りで700万円も減らすなんて、私がバカでした」

 大武氏はいつか値上がりするのを待ち続けるというが、このまま下がり続けたらと思うとぞっとする。続いては元大手電機メーカー勤務の真淵剛氏(仮名、72歳)の悲痛な叫び。

「私は日本航空株でヤラれました。国策会社だから倒産するはずがないという理由で投資したため、経営再建が進まず株価が下がり続けていた時も、『最後は国が面倒を見る、今が買いどきだ』と買い増してしまった。ただ90円、70円と下げていくうちに『さすがにまずい』と思ったが、そのまま売り時を逃して上場廃止へ。株券が紙くずになった。この時の損失は2000万円近くで、しかも女房の実家から1000万円を借りていたため、面子がない。女房はしばらく実家から帰ってきませんでした」

 言わずもがなのことだが、株式投資に「安全・安定」はない。銘柄選びを間違えればアッという間に老後の貯えが消えるのだ。

「回転売買」のカモに

 大切な老後の「虎の子」を株、投資信託などへの投資で減らした例は珍しくない。中でも銀行や証券会社の営業マンの〝話術〟に乗せられて、泥沼にはまってしまう高齢者は多い。都内に自宅を建てるために貯蓄していた約6000万円を1000万円台に減らしてしまったのは岡本陽子氏(仮名、57歳)である。

「株式投資を始めたのは'06年。友人から株で儲かったという話を聞いたことが始まりでした。友人に紹介してもらった大手証券会社の営業課長に会うと、6000万円が1億円になるのは半年もかからないと言うので、その気になって主人には内緒で6000万円を証券口座に入れたのです。

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