衝撃レポートもう払えません! 消える老後の「安心」 年金「一律5万円」時代に

2011年10月20日(木) 週刊現代 

週刊現代 経済の死角

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「早ければ来年度から早速実施される予定です。支給額を減らすなど、本来は大変な問題ですが、年金部会では、『速やかに実施したほうがいい』との声が優勢を占めました。これは、〝終わりの始まり〟です。今後、支給額の引き下げは、年金の危機が取り沙汰されるたび、繰り返し実施されていくことになるでしょう」(全国紙経済部記者)

 現在、定年を迎えた夫婦がもらう公的年金の平均受給額は、国民年金(基礎年金)と厚生年金を合わせて、月額約23万円。今回の措置で、彼らの世帯では月に2000円、年間約2万4000円の減額になるという。これをきっかけにして、今後はなし崩し的に年金がどんどん減額されていくであろうことは、間違いない。

 冒頭で紹介したように、年金財政は、もはやパンク寸前の状態だ。

「'09年度の公的年金の収支状況は、国民年金が5兆1347億円の収入に対し、5兆3598億円の支出で、2251億円の赤字。厚生年金の収入は34兆2530億円に対し、支出が38兆7813億円、4兆5283億円の赤字です。双方合わせて、4兆7534億円もの赤字になっています。それに運用損も加わり、年金積立金を取り崩して補っている。積立金は、ピーク時に150兆円もありましたが、数年で30兆円も減り、約120兆になってしまった」(日本年金機構関係者)

半分以下に

 年金財政が逼迫し続ける一番の理由は、もちろん少子高齢化である。日本では現在すでに総人口の5人に1人が65歳以上の高齢者だが、今世紀半ばには4割を超える。日本の少子高齢化のスピードは他国に比べて、飛び抜けて速いという。政策研究大学院大学名誉教授の松谷明彦氏が、その特異な理由を説明する。

「日本だけ急速に少子高齢化が進むのは、敗戦後、農業生産力の激減と膨大な引揚者と復員で国が飢餓状態になるのを防ごうと、行政が施行した産児制限によって、子どもの数が極端に減ったからです。'49年には270万人も子どもが生まれていたのが、'50年代後半には160万人以下にまで減りました。それ以降、子どもに対する考え方が変ったのか、出生率は'70年代半ばまで低迷します。結果、人口構造のひずみが残され、各国とも20~64歳の労働人口の比率は一定の値で安定しているのに、日本だけがその比率の低下が止まらないのです」

 人口比率で見ると、年金財政を支える労働人口は、'10年には71.9%だったものが、2050年には55%にまで減少すると予測される。これまでは約2.6人で高齢者1人を支えていたのが、1.2人で1人を支えなければならなくなり、年金の額が現行のまま下がらなければ、若い世代の負担は、2倍以上になる。

 また、年金積立金の運用損も年金財政を苦しめる。

「ただでさえ、積立金は赤字の埋め合わせで減っている。運用は業者に丸投げで、手数料もバカにならない。国内債券などの手堅い運用が9割を占める地方共済年金と違い、厚生年金の4割は比較的リスクの高い運用をしている。市場運用分は'08年度に約9.4兆円、'10年度も約5000億円の赤字となった。'04年時、運用利回りを4.1%と想定していましたが、まるで実現不可能な数字です」(前出・日本年金機構関係者)

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