経済の死角

南相馬・現地ルポ
ストロンチウム続々検出!「避難者を 自宅に戻す」のは早すぎる

2011年10月15日(土) フライデー
friday
upperline
小学校の生け垣に生い茂った草を手作業で除染していく。しかし、校内の草木はまだ手つかずのままであった〔PHOTO〕郡山総一郎(以下同)

 国は「緊急時避難準備区域」を一斉に解除したが、あまりに危険ではないか。南相馬市議が研究所と行った放射能汚染調査では、驚愕の結果が出ていた!

「何についても、解除するっていうのは、『原因を解決したので、もう戻ってきても安全ですよ』というのが前提のはずでしょ。だけど今回の解除なんて、放射線量の問題とか解決されていないままだ。解除だって言っても、誰も戻って来れないよ。何のための解除ですか!」

 福島県南相馬市に住む自営業の男性(50代)が怒りをぶつける。

 政府は9月30日、福島県内に設定していた「緊急時避難準備区域」を解除した。緊急時避難準備区域とは、福島第一原発から半径20~30km圏内で、年間放射線量が20ミリシーベルト未満のエリア。南相馬市、田村市、川内村、楢葉町、広野町の5市町村の一部に設定されていた。区域内には、子供や妊婦は立ち入らないようにし、緊急事態に備えて避難や屋内退避ができるよう準備することが求められていた。政府によれば、「原子炉の冷却が安定的に進み、緊急事態が発生する可能性が極めて低くなった」というのが、解除の理由である。

 同区域内に住んでいた住人は計約5万9000人で、そのうち2万8000人程度が区域外に避難しているとみられる。住民にとっては朗報のはずだが、冒頭のコメントにあるとおり、不安は解消されていない。

「政府が緊急時避難準備区域を解除したのは、原発の再爆発の可能性が低くなったというのが主な理由で、放射線量が低くなったからというわけではない。国際的に事故の収束をアピールしたいがためです。自治体側の、避難した住民に早く戻ってきてもらって町の復興を進めたいという意図もある。今回の決定は、〝まず帰宅ありき〟なのです」(地元紙記者)

 冒頭の男性が続ける。

次ページ 「ここで生まれ育ったんだからこ…
1 2 3 4 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事

最新号のご紹介

underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ