スポーツ

Close up 高橋由伸
巨人「甦った フルスイング」

2011年10月16日(日) フライデー
friday
7月10日の広島戦で、史上108人目の通算1500安打を記録した。通算1000本安打は入団7年目で達成する史上8番目の早さだったが、ケガに泣かされ1500本に到達するのに7年の歳月を要した〔PHOTO〕濱崎慎治(全点)

 マメだらけの手のひら、鉛のボールティー・・・ 7度のケガを乗り越えて見事復活するまでの天才打者「苦闘の軌跡」

「ウォー!!」

 普段は派手なパフォーマンスをしない男が、珍しく右手を高々と上げて叫んでいた。身体を貫く喜びが抑えられない。決勝のホームを踏んだ長野久義(26)に、思わずジャンピングニーパットを決める。9月11日の広島戦、9回裏2死一、二塁の場面。巨人の14年目のベテラン高橋由伸(36)が、守護神サファテ(30)の147km/hの速球をフルスイングして弾き返すと、打球は前進守備の中堅手の頭上を越えていった。高橋にとって'03 年以来、実に8年ぶりのサヨナラ打である。

「こういう場面にしばらく縁がありませんでしたから、本当に嬉しかった・・・・・・」

 プロでの長く苦しい生活が頭をよぎったのか、高橋は会心の決勝打を振り返り、少し照れたような笑顔を浮かべた---。

選手生命を懸けた今季

 高橋の球歴は華々しい。桐蔭学園(神奈川県)では2度甲子園に出場し、高校通算30本塁打を記録する。指定校推薦で進学した慶應義塾大学では3年時の東京六大学野球春季リーグで三冠王に輝き、'97年のドラフト1位として鳴り物入りで巨人に入団。春のキャンプでそのシャープなバッティングを見た当時の長嶋茂雄監督(75)に「由伸は天才です」と言わしめ、2年目には打率3割1分5厘34本塁打の好成績を残したのである。

 だが・・・・・・。その後、天才打者は報道によると少なくとも7度の大きなケガに泣かされ、なかなか思うような結果を残せずにいた。

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