ソーシャルメディアが加速。全米、世界に広がりつつある『ウォール街占拠デモ』

24時間態勢でソーシャルメディアを活用した活動を展開するウォール街占拠デモ参加者〔PHOTO〕gettyimages

 ニューヨークのウォール街で9月17日から行われている経済的格差への抗議等に端を発した「ウォール街占拠デモ(Occupy Wall Street)」が、10月に入り大手メディアでも積極的に取り上げられるようになり、全米主要都市、そして海外の都市にも広がりを見せつつあります。

 そもそもの発端は、カナダのバンクーバーに拠点を持つ環境問題等を扱う雑誌「アドバスターズ」が、ブログや雑誌で7月に掲載した「9月17日にウォール街を占領せよ」という呼びかけに遡ります。9月17日にウォール街で千人近くを集めたこの「占拠デモ」は、その後もウォール街近くの「ズコッティ公園」に拠点を構え、そこで寝泊まりするメンバーらを中心に次第に組織立った活動を展開、4週間目を迎えますます勢いを増しています。

 彼らは世代、地域の差を乗り越え全米から集まって来ており、ニューヨーク以外でも既に50以上の都市に「占拠デモ」は伝播し、10月15日には世界中でデモを実施することが今は呼びかけられています。

 どうしてこのような短期間で「占拠デモ」が一気に拡散したのでしょうか? チュニジア、エジプトの民主化革命、いわゆる「アラブの春」で大きな注目を集め、更にスペインやイスラエル、ロンドン等でもデモや暴動の際に活用されたソーシャルメディアが、インターネットサービスの本場、アメリカにて、縦横無尽に活用されていることは、その大きな理由のひとつといえます。

 もちろん背景にある理由としては、9%を超える高い失業率が9ヵ月以上も続いていること、政府から救済を受けた大手金融機関社員が多額のボーナスを得ることに対する怒り、大学を卒業しても仕事も希望も持てない現在の社会に対するやるせなさ、十分な対策を打ち出していない政府に対する不満が爆発している等、様々な理由が現在議論されています。

 今回は、この「占拠デモ」を支える、主要なソーシャルメディアサービスをご紹介することを通じて、今アメリカで何が起きているかを簡単に俯瞰してみたいと思います。

Tumblr:手書きのメッセージと顔写真で状況改善を訴え、多くの共感を得るサービス簡易ブログサイト

「WE ARE THE 99 PERCENT」HP

 数あるウェブサービスの中で印象に残っているのが「WE ARE THE 99 PERCENT」と題した、誰もがテキストや画像を簡単に投稿できるタンブラー(Tumblr)というツールを用いたサイトです。このサイトを訪れると、年齢も地域も状況も異なる様々なアメリカ人が、彼らが長期にわたる失業中であること、多額の教育ローンの返済を抱えていること、将来の希望が持てないこと等を、手書きのメッセージと顔の一部或は全体の写真とともに掲載されているのです。

 「1%の富裕層が米国の富を独占している」という事体に対する抗議のメッセージとして、文末に「we are the 99%」 、そしてデモ活動のホームページである「www.occupywallst.org」と文末に記入することが決まりになっています。統計データや象徴的な動画メッセージではなく、こうした一人ひとりのストーリーを伝える手法は、多くの共感を集めているようです。

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