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悪化するばかりの「原発」はどうなる

いよいよ米軍しか頼りはなくなったのか
福島第一原子力発電所[photo]getty images

 東日本を襲った大地震に続いて、東京電力・福島第一原発の放射能漏れが収まらず、日本中が不安に包まれている。間違いなく戦後最大の危機である。

 当面は菅直人政権と東京電力の対応を見守るしかないが、ここまでの展開で両者の危機対応能力に大きな疑問符がついてしまった。菅は危機発生5日目の15日になって、ようやく政府と東電の統合対策本部を立ち上げたが、遅きに失したのはあきらかだ。

 菅が東電関係者に「爆発から1時間も官邸に連絡がなかった。いったい、どうなっているんだ。撤退などありえない。覚悟を決めてくれ。撤退すれば、東電は100%つぶれる」と怒鳴った一件が事態を象徴している。首相でさえも事態を掌握できていないのだ。

改善どころか、日々悪化する事態

 爆発や出火をめぐって細かな原因解説報道が続いているが、実は国民にとって、そんなことはどうでもいい。原因を知ったところで、どうにかなるわけでもない。肝心なのは事態がこれからどうなりそうで、最悪の破局を避けるには、どうしたら良いかという点に尽きる。

 そういう観点からみると、見通しは残念ながら悲観的だ。

 私は原発について素人同然だが、それでも事態がどれくらい悪いのか、素人なりにおよその見立てはつく。

 11日に地震が発生した後、翌12日に1号機で最初の水素爆発が起きた。続いて14日に3号機で同じような水素爆発が起きて、15日になると2号機の圧力抑制室が爆発し、4号機でも爆発、火災が発生した。16日には4号機で再び火災が起き、3号機の格納容器が破損していることもあきらかになった。

 4つの原子炉で爆発、火災が相次いでいる。そもそも4号機は原子炉が停止中だった。それにもかかわらず爆発、火災が発生したのは、使用済み核燃料を貯蔵しているプールの水がうまく循環せず、燃料が過熱したためだと言われている。

 それぞれの原因が別々だったとしても、全体として眺めれば、ようするに原子炉システムが地震と津波でガタガタになってしまったとみるべきだ。あちこちがボロボロになって故障、不具合が相次いでいるのだ。

 原子炉だけでなく計器類もあてにならない。そもそも中央制御室が高濃度放射能に汚染され、作業員約800人のうち730人が敷地外に退避した。菅の激怒は「退避」の話が東電側から打診されたからだろう。東電はそれでも現場から逃げてしまったわけだ。

 東電は「冷却するだけなので、中央制御室に常駐する必要はない」などと言っているが、計器類の故障に加え制御室にも作業員がいない状況で、どうやって事態を円滑にコントロールできるのだろうか。

 事態は改善するどころか、日一日と悪化している。

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