日経平均は急落!大地震後の「個人の資産運用」をどう考えるか
最大のリスクは「福島原発」
日経平均は史上2番目の急落を記録した      【photo】getty images

 3月11日、東日本北部の太平洋側をM9.0の巨大地震が襲った。揺れによる被害もさることながら、その後の津波によって激甚な被害が発生したことは、ご承知の通りだ。被災された方々には、心よりお見舞いを申し上げたい。

 現時点では、被災し救助を待っている方が多数おられるはずであり、全てに優先して、こうした方々の救命を考えなければならない。

 こうした非常時ではあるが、この最中にも経済は動いている。週明け、3月14日の株式市場は、日経平均で633円の大幅下落となった。下げ幅として2008年のリーマンショック後以来であり、前週まで保っていた1万円の大台を割り込んでしまった。翌3月15日は、東京電力の福島第一原子力発電所の事態の悪化もあり、日経平均は前日比1,015円安の8,605円と昨年来安値を更新すると共に9000円をあっさり割り込んでしまった。

 この非常時に、個人のお金の運用を論ずるなど不謹慎であるとお怒りの読者もいらっしゃるかも知れないが、被災地の復興のためにも経済が健全であることが必要だし、その基盤として、日本の個人個人の財産状況がより良く運営されることは役に立つはずだ。

 今回の地震で、資本市場に起こった変化は、大まかには、日本の株価の大幅下落、円高、長期金利のやや下落、であった。

 株価の下落は、企業も日本の経済全体もこの地震で大きな被害を受けているのだから当然だ。今回の地震による経済的被害の規模はまだ全貌がつかめていない。本稿執筆中にも被害額は拡大している。

経済的損失は阪神淡路大震災の2倍を超える可能性

 週明けくらいから地震の経済に対する影響がコメントされるようになってきた。今のところ、1995年の阪神淡路大震災との対比で被害規模を類推する議論が多い。同震災の直接的な被害額は、兵庫県の推計による約10兆円という数字で語られることが多いが、その後の研究には直接的な被害で約13兆円(産業の被害をより広範に捉えている)、経済活動の縮小・停滞などの間接的な被害を約7兆円(1年分)と見積もり、合計で約20兆円程度の経済的損失と見積もったものもある。

 県別GDPで見ると、今回深刻な被害を受けた東北東部と北関東を合わせた地域のGDPは兵庫県の二倍程度だ。しかし、津波による被害の大きさと、電力不足による首都圏の経済活動の低下などの要素を考えると、経済的な損失の累計は阪神淡路大震災の2倍を超える可能性がある、というのが現時点の筆者の大まかな感覚だ(大きく間違っているかも知れないが)。

 ただし、景気に関しては、生産活動にあって、一、二四半期マイナスの影響が大きいかも知れないが、三四半期目くらいから、つまり今年の年末にかけては、復興需要が通常の需要に加わるのでプラス効果(あくまでも「景気」に関してだ)が現れると想定できる。

 株価は、企業の現状を評価するものである以上に、ビジネスの将来の価値に対して反応するものだ。他の要因に大きな変化がなければ(特に原発による放射能汚染の広範な拡大がなければ)という前提条件付きでだが、8千円台の日経平均は、換金売りやこれに誘発された損切りの売りに伴う「下げすぎ」である公算が大きいのではないだろうか。

 株式投資のアイデアとしては、二通りの定石がある。

 一つは、復興需要を評価することによってチャンスを探そうとするアプローチで、これは、14日の株式市場に既に現れている。

 市場全体は大幅に下落する中で、大手ゼネコンを中心に建設会社、さらには建設機械メーカーなどの株価は大幅に上昇した。再び、「不謹慎!」と言いたい方がいらっしゃるかも知れないが、これが市場の現実だし、甚大な被害の一方でポジティブな要素が先取りして評価することは悪くない。
 

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