現地で緊急支援をして実感した「被災者支援に民間・ボランティア団体の力をもっと使え!」
食料、ガソリン不足を早急に解決するために

「ここに2,000世帯が暮らす住宅があったんです」、「昨日もここから遺体が発見されました」、「向こうは水がひいていないので探しようがない」・・・被災地の現場は想像以上に凄惨だった。

  ある飲料会社の工場は津波に襲われ、工場の外にビールやお茶などの飲み物が山のように積み重なっていた。その山の中から、ビールや発泡酒以外のお茶などの飲み物をもっていく光景がみられた。

 私は、3月14日(月)、被災地の現場に入った。M7級余震の可能性は70%だったが、危険を冒してでも現場を見て被災者支援を考えるのは政治家の使命だという切実な思いからだった。地震直後に被災地に入った小熊慎司参議院議員を先頭にみんなの党チームは、松田公太、柿沢未途、中西健司、桜内文城各議員、それに被災者でもあり、親族を津波で亡くした菊地文博支部長だ。

 もちろん、人命救助を邪魔しないよう細心の気を配った。行政に頼らず、当たり前だがマスコミに伝えたりもしなかった。民間ベースの支援として現地に入り、被害の大きい仙台市宮城野区をはじめとした被災地の避難所に直接支援物資を届けた。

 被災地の現場をみると、やはり「百聞は一見に如かず」だった。

 まず、仙台市内の役所などには、支援物資が山のように届いている。しかし、それが、被災者の避難所に届いていないのだ。それは、市の指定避難所であろうと、指定外の避難所であろうと似たようなものであった。

 私たちが自然発生的に立ち上がった指定外避難所に直接物資を届けると、そこでは物資が極めて不足しているようで、弾けるような笑顔がみられた。私が被災者の皆さんに激励の挨拶をすると、拍手が巻き起こった。涙をこらえることができなかった。

 その一方、仙台市内の区役所に物資を届けた者は、区役所から、ここにはもう支援物資は沢山あるのでいらないといわれ、避難所に直接届けて下さいと言われた。

 ボトルネックはガソリンだった。民間人はガソリンを手に入れるのに長蛇の列を作って並ぶ。1km以上の車の列ができる。1台当たり10?。緊急車両でない一般車にとってはガソリン補給が至難の業なのである。

 コンビニは配給所となっている。1人おにぎり1個と菓子パン1個という具合しか買えない。コンビニに食糧品が届くと、その店に何百人もの人々が並ぶ。

 なぜ、ガソリンや食料、それを運搬する者が不足しているかといえば、それは、補給路に答えがあった。

救援物資を届ける民間のトラックが高速道路を使えない

 私たちは、緊急車両の許可を受けていたため、仙台市内に入るのに東北自動車道を通行することができた。パーキングエリアでのガソリン補給もOK。東北道は、ガラすきであった。自衛隊や警察・消防や行政以外の民間の車は極めて少ない。タンクローリー車など皆無であった。

 福島県の相馬市内で被災された方が、支援物資が届かないということで業を煮やし、自らトラックをチャーターして東京まで物資を買い集めに行った。国道など途中渋滞箇所も多く十数時間も時間を要した。みんなの党関係者に悲痛なメールがきた。

 帰路は緊急車両のステッカーを警察に頼んで出してもらった。東北道に入ったその被災者から電話が柿沢未途にかかってきた。聞かされていた通り、東北道は貸し切り状態だった。彼は号泣していた。そして、言った。「これは人災だ」。

 結局、東北道を緊急車両の許可を得なければ民間・ボランティアの通行を許さないとしていることが、支援物資の物流のボトルネックになっているのだ。兵站が整っていなければ、戦いには勝てない。

 これまでは、震災発生後の72時間が人命救助に大事な時間ということで、東北道を緊急車両以外通行禁止にする意義はあったと思う。

  しかし、72時間をゆうに過ぎた今の段階においては、人命救助のためにも、また、多くの一命をとりとめた被災者の方の救済のためにも、まずは民間の物流を担う車から東北道の通行禁止を解除すべきである。人命救助のための自衛隊の車両などの通行の円滑化は、1車線を専用レーンとしておけばよいのである。

 そうすれば、民間やボランティアの皆さんが被災地支援のために待機しているわけだから、被災者に直接ガソリンや食料などの物資が届くだろう。

 およそ、非常時の人命救助に危険業務の公務員が力を尽くすことには尊い意義がある。しかし、それ以外の支援業務を公的機関に任せていてうまくいくはずがない。3月15日、私は経団連会長や経済同友会代表幹事を尋ね、ガソリンの売り惜しみ防止と、「被災者支援において民間の力をもっと活用できるよう声を上げてほしい」と要請してきた。

 例えば、みんなの党は、一民間団体として、松田公太参議院議員などが、自らの実業家ネットワークを用い知人の経営者から被災者のための支援物資の提供を受け、バスをチャーターし、避難所に直接それを届けた。

 こういう柔軟な支援が、役所にできるかといわれれば否といわざるをえない。民間やボランティアの皆さんの方がはるかに柔軟で、被災者目線だ。小回りも効く。

 結局、今もって東北道を、緊急車両以外通行禁止にするのは官尊民卑の官僚統制の発想といえる。官民の区別なく、みんなで力をあわせて応援する体制になっていない。官だけではなく、民間とボランティアの力を最大限生かしていくことが必要だ。

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