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神童の法則 才能はいかにして開花したか。親たちが語る「天才少年・少女」の育った環境、育成理論
第1回 演歌歌手さくらまや「大丈夫か、うちのコ?」とさえ心配した異常な集中力
夕食を作る手伝いをしながらちょっとつまみ食い。両親と3人そろって食卓を囲むのは、久しぶりだという[PHOTO 船元康子]

 小節を回す小学生の登場に驚かされてから2年が経った。演歌の道を邁進する彼女の生き方は、今も変わっていない。故郷を離れてステージに立つ少女の芯は、ブレていない。その背景には、娘の強烈な個性を認めつつ、歌の世界以外にも目を向けさせる両親の支えがあった---。

取材・構成:片瀬京子(ライター)

東京の下町・小岩。商店街のレコード店に設置されたイベント会場で目を閉じれば、響き渡る伸びやかな声量に圧倒された。声の主がもうすぐ中学生になる少女だなどと、とても信じられない。

レコード店で新曲のキャンペーン。演歌だけにファン層の年齢は高い。〝追っかけ〟ももちろん会場にいた

 10歳の時、『大漁まつり』でデビューし、 '09年、日本レコード大賞の新人賞を11歳という最年少で受賞した演歌歌手・さくらまやさん(12)の知名度について、今さら言及するまでもないだろう。

 新曲『スカイツリーは雲の上』の営業イベントに現れた彼女は、ピンクのワンピースに白いタイツ、ピンヒールのサンダルという姿だった。

 下ろした髪はウェーブしている。次の曲が始まるとステージから降り、観客一人一人と握手を交わした。全5曲を歌い、観客との記念撮影を終えると、およそ45分のイベントは終了した。

 まやさんの笑顔は年頃の女の子のそれだが、目には覚悟のような強さが宿る。店を出るとスタッフとJR総武線に乗り込み、テレビ局へと向かった。これから15分後には番組の収録が始まる---。

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「お姉ちゃんと比べると、(二女の)まやは手の掛かる子でしたね。いろいろと習い事をさせたのは、彼女に自由な時間を与えないようにしたという面が、確かにありました」(母・由美子さん)