問題を放置しないこと
怒気をはらんだ桑原豊社長の声が鳴り響いていた。
桑原-- ××(店のある地名)。電話をして席を取っておいてもらったのに、店に行ったら席が空いていなかったとのクレームが来ている。どういうことだ?
部門長(その店のあるエリアを担当)
「いつもご利用いただいているお客さまで、店長がなんとかなると考えたようです」
「いい店とは何か」と問い続ける桑原豊社長桑原-- 満席なのに、空いていると言ったのか。そういう本当にちょっとしたことの積み重ねが、不満足につながるんだ。
常連さまは気持ちよく店に来てくださった。なのに、あるはずの席がない。その気持ちがわかるか。
どうして、正直に言えない。今は満席で、テーブルが空き次第おとりします、と。なぜ、それが言えないんだ? あいまいなことを言ってはダメだ。
それは、むしろ信頼をなくすことになる。
部門長 「はい」
厳しい不況が続く中、外食産業は苦境にあえいでいる。消費者のサイフのヒモはますます固くなり、ファストフードを除けば、ほとんどの業態で軒並み前年割れの状態だ。
そんな中、健闘を続けているのが、ワタミだ。2009年4~9月期の介護事業なども含めた連結の売上高は、前年同期比6%増の564億円。国内外食部門は売上高こそ落としたものの、当期利益は36.7%増だ。
ワタミは1986年設立。「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになりたい」という企業理念のもと、高いレベルのサービスで、外食ベンチャーとして成長してきた。2001年3月期に187だったワタミグループの店舗数は、今や600店を数える。なぜ、ワタミは好業績を維持しているのか。なぜこれほどまでの急成長が可能だったのか。
その大きな要因のひとつとされているのが、週1回の「業革(ぎょうかく)会議」(業務改革会議)の存在だ。冒頭は、その会議の中でのやりとりの一部である。今回、特別にその業革会議の取材を許された。
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