大手金融機関"デクシア"の破たん---ユーロの"あく抜け"になるか?
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 10月初旬、フランスとベルギー政府は、大手金融機関であるデクシアを全面的に支援することを発表した。これは、事実上、同行の破たんを意味する。今回の措置の背景は、同行が保有するギリシャやイタリアの国債などから多額の損失が発生していることがある。経営悪化が懸念され、資金繰りが難しくなったのである。

 同行の規模は決して小さくはない。欧州内で上位20位以内に入る大手金融機関だ。リーマンショック以降、同行の経営状態に懸念がくすぶっていた。今回、破綻が現実となり、不良債権を引き受ける"バッドバンク"と、優良債権を受け継ぎ業務を続ける"グッドバンク"に分解され、政府支援の下で再建計画を実行することになる。

 デクシアが氷山の一角である可能性が高いことだ。今後、欧州圏で大手金融機関の破たん処理が本格化することが考えられる。問題は、今回の措置をきっかけにして、政策当局が、欧州圏の大手金融機関の信用不安を払しょくする措置がとれるか否かだ。当局が、そうした措置を打ち出すことができれば、ユーロがあく抜けして買い戻されることも考えられる。

注目は"ソブリンリスク"と金融機関の信用不安

 現在、ユーロ圏が抱えている問題は二つある。一つは、ギリシャをはじめとした"ソブリンリスク"の高まりだ。それを沈静化するためには、ギリシャの不安が、スペインやイタリアに波及することを防ぐ防波堤を作ることだ。

 もう一つは金融機関の信用不安である。欧州の金融機関は、ギリシャやスペインなどの国債や貸出金を保有している。ギリシャやスペインなどのリスクが高まると国債の価格が下落し、保有しているポートフォリオから多額の損失が発生することが懸念される。そうした懸念が高まると、当該金融機関は、銀行間の短期金融市場で資金を調達することが難しくなる。最悪のケースでは、今回の"デクシア"のように資金繰りが付かず、業務を継続できなくなることも考えられる。

 大手金融機関の機能が低下すると、実体経済にもマイナスの影響が及ぶことは避けられない。景気が落ち込むと企業業績が悪化し、企業の破たん件数が増えてそれが不良債権の増加をもたらすことが想定される。まさに、金融機関の機能低下---景気下落---不良債権の増加---金融機関の経営状況の悪化の悪循環だ。

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